トップページ | 癖っ毛 »

2004/09/24

京のぶぶ漬け

若い頃、「京のぶぶ漬け」という言葉を知り、驚いた事があった。京都では、お茶漬けの事を「ぶぶ漬け」と言うそうで、訪れた客人に「まあまあ、ぶぶ漬けでも一杯召し上がれ」と勧めるのがお約束らしい。しかし、その言葉を真に受けて上がり込もうものなら、「非常識な人」になってしまうそうだ。どうも、それは口だけで、言われた方は「せっかくですけど、また今度」とか言って、さっさとおいとましなければいけないらしい。
世の中には恐ろしい習慣があるものだ。そんな事を言われたら、お腹がいっぱいでも「断っちゃ悪いかな?」と気を使って、無理をしてでも食べてしまうのではないだろうか。と、当時の私は恐れをなしたものだった。

先日のテレビで、V6の面々が「お作法」の特訓を受けるという番組があったが、他家を訪問し、持参したお土産を差し出す場面で、「つまらない物ですが……」という言葉に先生達からクレームがついた。人様に差し上げるのに、「つまらない物」は失礼だと言うのである。確かに、外国人が不思議がる日本の習慣として、よく指摘されてはいるが、「お作法」も随分国際化したものだと思った。
この「つまらない物」もお約束で、誰もそうだとは思っていない。実際にはまだまだ現役の言い回しなのではないだろうか。

こちらが正しいと思っていても、相手がそれを理解しなければ意味がないし、世間の常識というのはむつかしい。例えば宛名書きでも、「○○部長」等の「長」は、それ自体既に敬称なので、「○○部長様」はおかしいと思っているのだけれど、様を付けずに相手の不興をかうよりはと、営業部長○○様などと回りくどく書く事もある。しかし、それではあまりに役職にこだわっているようだし、その度に、悩んでしまう。

親しい間柄なら、「美味しそうなお菓子があったから……」なんて言うけれど、はたして相手が偉い人で、オフィシャルな訪問だったら、同じように言えるだろうか……。私なぞ「つまらない物ですが……」と口走ってしまいそうで、不安なんだけど……。

         ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

元々はHPの独り言のコーナーだった「日常雑記」ですが、今回からココログでも始めさせて頂きました。どうぞ、よろしくお願いいたします。

919murasaki.jpg 公園の紫式部もたわわに実を付けて。

生字引に聞け!: 「ぶぶ漬けでもいかが?」さんにトラックバックさせて頂きます。

|

トップページ | 癖っ毛 »

コメント

⇧「生字引に聞け!」さんのサイトは、トラックバックして頂いてから、ちょくちょく伺っています。
今年の7月に、文化庁が発表した「国語に関する世論調査」的な内容は、言葉にこだわっている人必見!
毎日よくネタが尽きないなぁと、感心してしまいますが、
私も、引っ掛かっていた疑問など、よく質問させて頂いてます。

ただ、日本語に自信が無くなる危険性も…。(^^;)

投稿: nanbu | 2004/11/08 13:05

nanbuさんのコメントを拝見して、早速訪問してみました。
うんうんと納得したりうなずいたり、あるいは目からうろこがぽろぽろ落ちそうな、楽しいサイトですね。これから私も時々お邪魔させていただこうと思います。

投稿: ポージィ | 2004/11/08 20:23

ポージィさん、ありがとうございます。
コメントに気がついてもらえて嬉しいです。

生字引さんは人柄も暖かで、宣伝しちゃおうと思いまして…。
でも、最近日本語を書くのが怖くなりました。(^^;)

投稿: nanbu | 2004/11/09 07:34

こんばんは、人柄が暖かな生字引です。(^^;
この度はご紹介に預かり、ありがとうございます。

僕のせいで日本語恐怖症になってしまわれたようで、すみません。
では今日から韓国語で話すことにします。

アンニョンハセヨ~...

い、いや...「カタカナで書いてる時点で日本語じゃん」と、一人鬱に浸っております。(TT

それでは今後ともよろしくお願いします。
アンニョンヒゲセヨ~

投稿: 生字引 | 2004/11/09 18:37

生字引さん、お出で頂き、ありがとうございます!
(「お出で頂き」って失礼にあたりません?)

「言葉の大家ほど、よく辞書を引く。」と、何かで読んだ覚えもありますし、
言葉は大切にしたいと思っています。

ヨン様に会う予定は今の所ないので、
韓国語は母国語をクリアした後でということで…。(^^;)

きっとまた、質問する事があると思いますので、
よろしくお願い致します。

投稿: nanbu | 2004/11/09 19:42

こんばんは。

そんなぁ、失礼かどうかなんて僕だってわかりませんよ。(^^;
気持ちが伝われば良いのではないかと、僕自身はそう思います。
それこそ、辞書やらそれ系の本と格闘の毎日ですので、一日中ネタのことばかり考えています。
今思えば、もっと他の生字引になりゃ良かったかなとも思うのですが、なっちゃったものは仕方がないので、これからも頑張ります。(^^;

投稿: 生字引 | 2004/11/09 23:18

ネット上の書き込みって、言葉だけが頼り…。
気分のままに書き込んだ後で、誤解されなかったかな?と、身を捩ってみたり…。
お調子者の私は、「気持ちが伝わる」のを願うばかりです。

文章には、「書いた時の気分」、「書いた人」そのものが結構出ちゃうので、おろそかには出来ませんよね。

生字引さんが頼りなので、頑張って下さいまし。

投稿: nanbu | 2004/11/10 07:56

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/55071/1508594

この記事へのトラックバック一覧です: 京のぶぶ漬け:

» 「ぶぶ漬けでもいかが?」 [生字引に聞け!]
「ぶぶ漬けでもいかが?」 (ぶぶづけでもいかが) 「よう来はりましたなあ。ぶぶ漬けでもいかが?」と言われたら「急に来られても、準備もしてないし困ったな」という... [続きを読む]

受信: 2004/10/23 19:22

トップページ | 癖っ毛 »