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2004/11/30

それで、いちご

若かりし頃、会社勤めをしていた事がある。そしてその時、社内の本棚に日本の民話を集めた本があった。

何気なく読んでいて、ある事に気が付いた。どれもお話の最後が「それで、市が栄え申した。」で結ばれている。「はて、これは?」と思い、博学な方に聞いてみた所、「めでたし、めでたし」のような語り収めの決まり文句なのだと言う。なるほど、市が栄えれば「めでたい」という事は、何となく分る。

さらに読み進んでいくと、それには色々なパターンがある事が分かってきた。「それで、市が栄えた」「それで、市後栄えた」「それで、いちご」なんだか、どんどん省略されていく様な……。こうなってくると、肝心のお話よりもそっちの方が気になって来る。(まるで伝言ゲームを見る様な面白さ!)

「いちご」が出て来た時には、さすがに「オイオイやばいぞ!」と不安がよぎったが、案の定、「いちご、ポ−ンとさけた」まで行ってしまって、期待は裏切られなかった。
こういった民話は、人から人へと伝承されて来たもの。昔の人も、結構めんどくさがり屋(脚色家?)だなぁと、変な所で安心した覚えがある。

さらに、そのお話が編者によって収集された場所を調べてみると、比較的オリジナルが守られているのは越後平野の方。そして、だんだん太平洋側に行くに従って、はしょられていく……。さらによく見てみると、「市後」にこだわった"苺派"と、「栄えた」の"裂けた派"に分かれていたような記憶もある。(両方のミックス型もあってややこしかった)どうやら、越後山脈を北から越えたか、南ルートだったかで別の変化を遂げたようだった。(なにせ若い時の事だから、うろ覚え……)

そんな事が面白くて、しばらくその本に没頭していたのだけれど、(仕事はしていたのだろうか?)めんどくさがり屋では、こちらも負けていない。で、結局それっきり……。(「それっきり」もあったような)
もっと突き詰めてれば、なにがしかのレポートの一つも書けたのかしらん……。(ま、そりゃ無理ダワネ♪)

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コメント

おもしろいですね!すごく興味を持って読ませていただきました。
「市後栄えた。」までなら「いちのちにさかえた」とでも読めば意味がわかりますが、「それで、いちご。」「いちご、ポ−ンとさけた。」ときては何のことやらさっぱり。作者は最後に何をふざけたんだろうと首をひねりすぎて筋を違えそうです。耳から耳への伝承で、何やら訳がわからんがそう聞こえるからと形を変えながら伝わっていったんでしょうかねぇ。伝言ゲームみたいに。「栄えた」は地域によっては「さけぇた」と発音するのかしら。表記も漢文的に送り仮名を省略していたとしたら「市後栄えた」=「いちのちにさかえた」→「いちご、さけぇた」と変わっていった?
nanbuさん、レポートをまとめていらしたら今頃は国文学者の道を歩んでいらしたかも!?

投稿: ポージィ | 2004/11/30 11:43

ポージィさん、ありがとうございます。
こんな事に興味を持ったのは自分だけかなぁ、と思っていたので嬉しいです。

国文学者は無理でしょうが、学生の頃にこの本に出会っていたら、夏休みの自由研究位にはなったのにねぇ〜。
それっきりにしちゃうのが、いかにもワタシ的?(^^;)

投稿: nanbu | 2004/11/30 14:19

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