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2005/02/03

手乗りインコ

私には時々見ていた夢がある。それは、こんな夢だ。

普段気がつきにくい押し入れの中とか床下に、金魚や小鳥を飼っているのだけれど、すっかり忘れている。そして、ある時急にその事実を思い出す。「あ!いけない」と慌てて見てみると、放っときっぱなしだったのに、ちゃんと元気にしていて、「あぁ、良かった」と胸をなで下ろす……。

何でこんな夢を見るのか、私には心当たりがある。昔、手乗りインコを飼っていた事があるのだ。
まだヒナのうちから飼い始め、一人前になる頃にはすっかり人に慣れていた。肩の上にとまったり、頭の上に乗ったりして、たいそう可愛かったが、気性はかなり激しかった。ひとしきり遊んだ後、鳥カゴに戻そうとすると、嫌がってめちゃくちゃに手を噛む。それがまためっぽう痛かった。

それでも一番お相手をしたからなのか、いつからか私にしかなつかなくなった。私が留守の時に、別の家族がエサや水を取り替えようとしたら、噛まれて痛かったとクレームがついた事もあった。
そうして、その攻撃的な気性のせいで、何となく家族の厄介物的な存在にもなっていった。私も、戻す時の騒動を思うと気が重く、カゴから出して遊ぶ事も滅多にしなくなった。

そんな折、同居していた義姉に赤ちゃんが出来て、妊婦に小鳥は良くなかろうとカゴを外に出す事になった。
高校生になった私が、学校から帰って家の近くまで来ると、窓辺に吊るしたカゴから「グギャゴギャ・・」という鳴き声が聞こえるようになったのはその頃だ。家に入って窓を開け、カゴの隙間から顔を撫でてやると、本当に気持ち良さそうにしていた。(私が帰って来たのが嬉しくて鳴いていたという事に、後になって気がついた)

……そんな日々にも慣れてしまったある日、(学校が休みの時期だったのだろうか)すっかりインコの世話を忘れていたのに気が付いた。「あ!」と思って曇りガラスの窓を開け、慌てて鳥カゴを見ると・・・当たり前のように死んでいた。

いくら窓の外にいて、気がつきにくいと言っても、言い訳にはならない。
高校生とはいえ、まだ子供なのだろうか。「誰かが何とかしてくれる」と、どこかに甘えがあったのかも知れない。

夢というのは、現実を相殺する役目もあると読んだ覚えがある。こんな夢を見ていたのは、無意識に自責の念から逃れようとしていたのだろうか。

あれから私も大人になって……。元気な姿にほっとして目が覚める、そんな夢を見なくなったのは、いつからだろう。

kage
 
 
冬至の頃は
陽が当たらなかった壁にも、
日射しが届くようになった。
 
 

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コメント

こんばんは。

写真、畳の目かと思いました(^^)

辛い思い出がおありですね。いつまでも消えない心に刺さったとげ。

小3のときクラスで飼っていた十姉妹。
クラス全員が餌をやり忘れていて、ある日死んでいました。
餌の容器は底まで全て食べた後の殻だったのです。文字通り籠の鳥には自分でどうするすべも無くお腹をすかせて辛い思いをして死んでいったと思うと、子供心にもたまらなく辛かったです。
先生は生徒に100%まかせっきりだったのかしら...この疑問もずっと残っています。(聞けなかった)

投稿: ポージィ | 2005/02/03 22:55

ポージィさん、おはようございます。

>写真、畳の目かと思いました(^^)

あ!ホントだ。…畳に見える。
(キャプションを付けといて良かった。)

インコには、可哀想な事をしたと思います。
ただ、夢に出て来るのは、いつも1羽2羽じゃなくて、沢山なんです。
その理由は未だに分りません。

投稿: nanbu | 2005/02/04 07:16

手乗りインコの可愛い日記かと思ってきたのに・・・

酷いですね・・・

これから気をつけてください。

投稿: 天使 | 2005/08/02 12:31

>天使さん

「手乗りインコ」で、検索していらしたんですね。
それでショックを受けられて…。
だとしたら、ごめんなさい。

まったくおっしゃる通りで、未だに後悔しています。
この件で、「生き物を飼う」という事は「その命に責任を持つ」という事なのだと肝に銘じました。

懺悔の気持ちというと大袈裟ですが、「あのインコの事を書いておいてあげたい。」と思っての記事だったのですが…。
不快に感じる人がいるなら、ちょっと考えるべきかも知れませんね。

投稿: nanbu | 2005/08/02 17:32

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