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2005/03/11

少年マガジン

前回、『少年マガジン』から始まった、私の漫画遍歴を書いたけれど。
なぜ、10代の終わり頃から少女漫画に移行したのか考えてみた。
そして、思い出した事があった。

高度経済成長まっさかりのあの頃。定価50円の時代がけっこう長く続いたんだけれど。それが60円になり、70円になったあたりから、どんどん値上がりしていく……。そして、それにつれて読者の対象年齢もどんどん上がっていった。

当時の連載漫画『丸出だめ夫』は小学生だったし、『ハリスの旋風』の石田国松は中学生。それが、『巨人の星』の飛雄馬が小学生から大人になるように、大人を主人公にした作品がどんどん増えていった。さらに、革新的な問題作も次々発表されて……。こちらとしては、自分の成長とともに内容が高度になっていくのだから文句は無い。夢中になる訳だ。

しかし、いつからか「あれ?」と思うようになった。
時は「サイケデリック」全盛の頃。「イラスト」なんて言葉も、その頃から言われ出した。『少年マガジン』の表紙も、横尾忠則さんのイラストになったりして、完全に「大人」の鑑賞に耐える内容になっていた。そうなるともう、「少年」と言うには無理が出て来るし、それは単なる冠でしかなくなっていった。

「このまま、大人向けになっちゃっていいの?」一読者でさえそう感じるのだから、出版社側も対応策を考えていたのだろう。小学校低学年向けの『テレビマガジン』を創刊したり、青年向けの『ヤングマガジン』が創刊されたり……。『少年マガジン』自体も、軌道修正が始まったように感じた。

でも、今さら子供向けの漫画を読んでも夢中になれないし、かといってミョ〜に色っぽい、大人向けのコミックにも惹かれないし……。そうなると、自分が夢中になっていたのは、やはり「少年」の冠だった事に気付いた。(同時に、自分がもはや「少年」ではない事にも……)そして、少年漫画がそんな変換期を迎えた頃、急に「醒めて」しまった。

だからこそ、当時少女漫画にまだ残っていた、古き良き時代の臭いを感じたのだと思う。
あるいはまた、少女漫画のカオスをも飲み込む、度量の広さに惹かれていったのかもしれない。

それはもう、漫画がコミックへと成熟するための、時代の必然だったような気がする。
そして、それは対象年代別にキチンと住み分けがなされている、今のコミック雑誌を見てもそう思う。
 
magajinn1 magajin2
 
ホームページの方で既出の画像ですが。
左から、1964年1号定価は40円。
同年45号定価50円。特集は「東京オリンピック」なのが泣けます。

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