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2005/03/15

利休色

利休色、利休鼠、利休茶、利休白茶、これはどれも色の名前。
(どの色にもちゃんと規格があって、RGB値が決められている)
そして利休と言えば、言わずと知れたあの、茶の湯の千利休のこと。

「利休」の名が付くだけあって、どの色も抹茶色を感じさせる色だ。
ちなみに、利休鼠(りきゅうねずみ)は緑色がかった鼠色。
江戸時代に愛好されたり、明治時代にも流行したというだけあって、ご存知の方も多いと思う。


子供の頃、「図工」の時間に絵の具を混ぜていた時のこと。黄色と黒を混ぜたら、とてもイヤな色になって驚いたことがある。どんな色でもそれに黒を混ぜると、たいてい深く落ち着いた色になる。出来上がりの色も、混ぜる前から大体想像がつくものだけれど……。

しかし、黄色だけは違う。

混ぜた筈のない緑色を感じたりして、神経を逆撫でるというか、とても落ち着かない色になる。間違って混ざったりすると、「しまった!」と思うほどで、それは生理的嫌悪感に近かった。

でも、それも混ぜる黒が70%辺りになると、うって変わって落ち着いたシブい色味になる。
そしてそれは、利休色にとてもよく似ていて、「特別な色」と言ってもいいくらい。

先に挙げた色名は、後世の人が抹茶色にからめて付けた名らしい。けれど、利休がこの色を好んだというのだけは、本当だと思う。


人は、成長と共に色々な味覚を認知し、その美味しさを知っていくのだそうだ。その中でも、「苦味」は一番最後に理解出来るのだという。(大人になって味わう、ビールの苦味はこたえられません)
今回、試しに黄色から黒へのグラデーションを作ってみたのだけれど、子供の頃に感じたほどには、嫌な印象を持たなかった。

案外それは、この色味が味覚で言う「苦味」だからなのかもしれない。

あまりに鋭い美意識のために、秀吉から切腹を命ぜられたほどの千利休。
「苦い」と感じるほどの、この色のうつろいの中に、絶妙な刹那の美を見い出した利休という人の感性。
その感性に、改めて想いを馳せてしまう。
 
rikyuu rikyu
左が、黄色から黄+黒70%への
グラデーション。
右が、利休色。値は#5D4F25

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コメント

nanbuさん 勉強になります。 僕の手元にはDICのカラーチップ(一般色643色)しか置いてないんですよ。
日本の伝統色と西洋の伝統色の色チップがないので それが指定色になると もうお手上げ(^^)

よく使われる日本の伝統色だと利休色・萌黄色・深紅・灰桜・石竹色・鳶色・錆色・焦茶・金茶・柿茶・紅柑子・伽羅色・亜麻色・琥珀色・芥子色・茄子紺・桔梗色・銀鼠・薄墨色・・・・と書き出すといくらでもありますね。

投稿: nezimaki | 2005/03/15 11:45

>nezimakiさん

日本の伝統色、本当にたくさんありますね。
灰桜・鳶色・銀鼠…。
文字を見ているだけで、うっとりしました。

茄子紺のようにイメージ通りのものや、
聞いた事のない名前まで…。

石竹色って、知らなかったので調べたら、
ナデシコ科の花の色で薄い赤紫。
とっても綺麗な色ですね。(^.^)

投稿: nanbu | 2005/03/15 16:43

こんにちは。
私は色の知識はあまりありませんが、昔美術の先生が、「日本の色」だといって見せてくださった色見本の微妙な色の変化と美しさにはうっとりしたものです。微妙な色の違いを愛でる日本人の感性は大事にしたいものの一つですね。

黒70%の利休色、子供にとっては汚い色と感じられるかも。ええ、ええ、苦味の色というのはまさしく言い得て妙です。
渋く、目に見えている表面の色のさらにその下にも別の色が感じられるような、そんな奥深さを持った不思議な色ですね。

投稿: ポージィ | 2005/03/18 12:22

>ポージィさん
>微妙な色の違いを愛でる日本人の感性は大事にしたいものの一つですね。

本当に、ちょっと違うだけでも印象が変わりますよね。
その違いの一つ一つに、ゆかしい名前を付けた昔の人って素敵です。

利休色には、今でも「苦味」は感じますけど…。
ただ、その苦味が快感になって来ました。(笑)

以前はこの色に、天才と言われる人特有の
「狂気」と紙一重の凄みを感じてて…。
「この色が好きなんて、やっぱ変!」なんて思ってました。(^^;)

大人になって、やっとその良さが
わかるようになったって事でしょうか。(^.^)

投稿: nanbu | 2005/03/18 15:32

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