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2005/05/01

夏の予行演習

kodemari五月は本当に爽やかな季節だ。
そんな初夏の日々にも、おとといのように真夏を思わせる暑さの日が訪れることがある。(まだ四月だったのに。)

三島由紀夫氏の作品に、そんな日のことを「夏の予行演習」と表現した一節があったけれど。
まさに言い得て妙。
それを読んだ時には、かゆい所を的確にかいてもらった様な快感を覚えた。

華麗で美しい文章は、緻密な彫刻のようで。
理解するのに時間がかかって、気軽に読もうとは思えないけれど。
それだけに、こんなフレーズを見つけると嬉しくなってしまう。


そういえば、裏地が付いた袷(あわせ)の着物を単衣(ひとえ)に替えるのは、六月の「衣替え」から。
そんなうるさい決まりがある着物でも、五月の暑い日には単衣を着て良い事になっている。

それだけ「夏の予行演習」のような日は、特別な日。


若かったあの頃。
そんな日が来ると、私もタンスからいそいそと短パンを引っぱり出して、つかの間の「夏」を楽しんだりしたものだった。

でも、その予行演習は昼間だけ。
夕方になって冷えて来ると、またいつもの格好に戻らなければならない。
かりそめの夏は、はかない白昼夢。

「最初からわかってたよ……」

そうやって穿いていた短パンをしまいながら。
過ぎてゆくうたかたの夏の日を恨めしく思うのだった。

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コメント

こんにちは。
「夏の予行演習」ですかぁ…
うまい表現をするものですね。

そういえば、秋(11月)になってから暖かい日があると
「小春日和」「インディアンサマー」「老婦人の夏」など
色々な言い方を耳にしますのに、夏のような春の日の言い方は
聞いたことがありません。私が知らないだけかもしれないんですけど。
nanbuさんは何かご存知ですか?

投稿: ポージィ | 2005/05/03 10:39

>ポージィさん
コメントありがとうございます。

今日は実家へ行ってきたんですけど、暑くもなく寒くもないお日和で助かりました。
「夏のような春の日」を表す言葉は、私も聞いた覚えがありません。だから余計にピタっと来たのかもしれませんね。

ところで、「老婦人の夏」。確かにそんな言葉もありましたね。
秋に生まれたクモの子が、糸を風に乗せて飛んでいく様が老婦人の髪のようだからとか。
「老人の〜」とか「女の〜」とか国によって違うようですが、どれも夏です。
日本だけ春にたとえるのは不思議だと思いませんか?
そんな疑問を「サマータイム」という記事にしてみました。
次回UPしようと思っているので、良かったらご覧になって下さい。(^^)

投稿: nanbu | 2005/05/03 20:18

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