« 橋の下 | トップページ | ツユクサの君 »

2005/06/07

真空管

5_26gazania私の父も兄弟も、機械いじりが好きだったけれど、さすがにテレビまでは修理できなかった。(あっちこっちいじくって微調整するのは好きだったけれど)

そうなると電器屋さんの出番となる。

茶色いテレビの裏ブタを開けると、ブラウン管の下にはホコリを被った真空管が、何本か鎮座ましましていた。
直径3〜4cm、高さ5cmほどのガラス管。子供の目には、それはちょうど透明な電球のように見えた。

「なんで電球がテレビの中にあるの?」
それはいくら説明されても理解できず、それゆえに、いかにも電子機器らしい威厳を持っていた。

しかし、その威厳も長くは続かなかった。

その頃すでにラジオはトランジスタ。やがてそれはテレビにも及んでいき、新しいテレビの裏ブタが開けられるたびに、ブラウン管は大きく、その他の部品は隅に押しやられて小さくなった。

基盤の上にハンダ付けされた、申し訳程度の小さな物体。
それが、あの真空管の代わりだなんて……。

そのトランジスタ自体も、やがて基盤の中に埋め込まれるほど薄くなる。
そして、現在の集積回路になっていく。

子供の頃、兄が読んでいたSF小説を借りた事があった。
アリゾナの砂漠の地下に、巨大なコンピュータ(その頃は電子頭脳なんて言われていた)施設が作られる。やがて、それが独自の知能を持ち始めて……。というストーリーだったけれど、その集積回路は真空管で作られていた。

透明に輝く無数の真空管の中を、エスカレーターで地下に降りていく描写は圧巻だった。
でも、今自分の足下にうずくまっているパソコンのメモリは1Gバイト以上。
もしかしたら、あの小説に描かれていた真空管の数よりも多いのかもしれない。

|

« 橋の下 | トップページ | ツユクサの君 »

コメント

こんにちは。
お父さん、お兄さん方には及ばなかったかもしれませんが、
nanbuさんもやっぱり理系、と私も思いましたよ~。奥様に賛成!
だって、こんなにもTVの裏側の世界に興味津々で
つぶさに観察していらしたのですもの。(^^)
きっと、電気屋さんの横から覗き込みながら質問責めにしたんでしょうね、うふ。
(ちなみに私も橋の下から拾ってきた子だそうです…)

それにしても電気製品の進歩は目覚しいですね。
夫もよく似たようなこと言ってますよ。
昔SFの世界の夢でしかなかった携帯電話やTV電話が、
今じゃ現実のものになって、しかも、もっと進んでいるんだもんね、って。

投稿: ポージィ | 2005/06/07 10:22

>ポージィさん、こんにちは!

>(ちなみに私も橋の下から拾ってきた子だそうです…)

おぉ!そうですか。お仲間がまた増えました♪(^.^)

>nanbuさんもやっぱり理系、と私も思いましたよ〜。奥様に賛成!

あぁ・・・。でも、
科学は好きだけど、化学がダメ。
生物は好きだけど、地学がダメ。
物理も、力学は好きだけど、電気がダメ。
結局、ハチャメチャなんですぅ〜。

>それにしても電気製品の進歩は目覚しいですね。

本当にそうですね。
ご主人のおっしゃるように、現実の方が昔空想していたことの更に上をいってますもんねぇ。
こちらが使いこなせないくらい多機能になっちゃって…。(^^;)

投稿: nanbu | 2005/06/07 17:17

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/55071/4449753

この記事へのトラックバック一覧です: 真空管:

« 橋の下 | トップページ | ツユクサの君 »