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2005/09/05

撮影現場その3

とはいえ、いつまでもお邪魔しているわけにもいかない。
結局は、衣装さんと一緒にハンガーに囲まれた寝室にこもっているしかなかった。

我が家であって、我が家でない……。
こんな時の所在なさというのは何とも言えないものだ。

お昼休みにスタッフが出払った家で、(エアコンは止めて行ってね)一人留守番しながら食べるロケ弁。
豪華ではあっても、それはあまり美味しく感じられなかった。

寝室に控えていた衣装さんとのお話も尽きた頃、午後になって刑事役の羽場裕一さんがお出ましになった。
この羽場さん、とても気さくな良い方で、あるじの身の置きどころない心情を察してか、しばし話し相手になって下さったのだった。

PTAの集まりが終わり、学校から帰って来た家内は、撮影中のために家に入れず、ロケバスの中でロケ弁を食べたという。しかし、最後には一緒に羽場さんとお話できたし、この場合そっちの方がお得だったような気がする。


なにはともあれ無事撮影も終わり撤収となったのだけれど、今回のお礼は現金で頂いた。いろいろ気苦労はあったものの、やはりキャッシュはありがたい。
(ちなみに、「お家賃の半分程度」が相場だとか)

余談ながら、例の暗幕の設置作業中、ウチの子が育てていた教材のミニトマトの鉢を、スタッフが転がしてしまうというアクシデントも。(学校から帰った息子の、「トマトが落ちてるぅ〜」の一言で、福沢諭吉さんが一枚増えました)
その瞬間、ウチのミニトマトは日本一高価な値が付いたのだった。


しかし、たかだか六・七年前の出来事なのに…。まるで夢だったかのように実感がない。(コロッと忘れてたくらいだから)

特殊な状況に置かれた時の記憶というのは、案外そんなものなのかもしれない。

今じゃ壁紙も汚れて、ペンキも剥がれだしているし……。
もう、こんなお話はやって来ないだろう。
 
8_19senniti
 
 
 
 
よく見ると
繊細な千日紅の花。
 

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コメント

見慣れすぎるぐらいに見慣れている日常のなかに、いきなり非日常なものが置かれる・・という状況はこういう時なんですね。 こんなすごい体験がnanbuさんにはあったのか。 どうもnanbuさんには、まだまだびっくりさせられるような「隠し球」が残っているんじゃないだろうか(^^)

投稿: nezimaki | 2005/09/05 09:45

>nezimakiさん、ありがとうございます。(^^)

>見慣れすぎるぐらいに見慣れている日常のなかに、いきなり非日常なものが置かれる・・という状況はこういう時なんですね。

まさにそう思います。
「えらい事になった。」とつくづく感じたのは、やっぱり見慣れたフキンが、モニターという見慣れない画面に写った時だったので…。

>どうもnanbuさんには、まだまだびっくりさせられるような「隠し球」が残っているんじゃないだろうか(^^)

エヘ!(^^)
だったらいいんですけど、さすがにもう無いような…。

ただ、この件を思い出した時、「ネタがあったじゃん!」と喜んだものの、
「何で今まで忘れてたんだろう…。」と、自分で自分に呆れたくらいなんですよね。
もしかしたら、また自分に驚かされる事があるかもしれませんが…。(^^;)

投稿: nanbu | 2005/09/05 11:15

うあー、面白そー。なんでもそうですが、プロの人が物を作る現場ってホント興味深いです。よく映画のメイキングや音声解説で、このシーンは個人宅で撮りましたーなんて言ってるのは、こんなふうにやってたんですねー。
仕事でスチール写真や、たまーにV(といってもホームビデオですが)も回したことがあるので、何となくわかります。いろいろ機材も入るし、下がれないと撮れないし。だけど、セットを組むより個人宅を借りた方が、手っ取り早く人が暮らしてる感が出るでしょうね。
でも本人の立場だったら、やっぱフキンは照れるかもしれないです。よそ行きのフキンなんて、ないですよねー。

投稿: cue | 2005/09/06 03:45

>cueさん、ありがとうございます。(^^)

>なんでもそうですが、プロの人が物を作る現場ってホント興味深いです。

お仕事で取材なさっているcueさんなら、
きっとその時の雰囲気がよくお分かりになると思います。
(編集関係の方かな?と思っているんですが。^^)

一人一人が、自分の持ち場でテキパキと仕事を進めて、一つの事を仕上げていく。
それぞれの人の仕事ぶりもそうですが、それをまとめる監督さんもスゴイと思いました。
そして、それを陰で支える「進行管理」の人も。
私との窓口はその進行の方だったんですが、ミニトマトの植木鉢の件とか、トラブルの後始末までして下さって。
その仕事ぶりには頭が下がりました。

実は、その日使っていた無印の湯飲み茶碗が、お盆ごとカウンターに置いてあったんです。
結局それも、フキンと一緒にデビューしてしまいました。(^^;)

投稿: nanbu | 2005/09/06 08:12

きゃー、と物珍しさに駆られていられるうちはいいですけれど、
大掛かりな撮影となると、それに伴う気苦労も免れないというわけですね。

6~7年前のことなのに、夢の中の出来事のよう、というのわかります。
私もころっと忘れていたのですが、クックを飼い始めて間がない頃、
当時放送していたTV東京の動物番組のチワワコーナーに出演したことが。
(撮影に来ました)
そのときの謝礼は私のランチ代と、TV東京の縫い取り付きの
タオルハンカチ1枚でしたよ~(^^)

投稿: ポージィ | 2005/09/07 10:29

>ポージィさん、ありがとうございます。(^^)

>当時放送していたTV東京の動物番組のチワワコーナーに出演したことが。
(撮影に来ました)

ウォウ!スゴイ♪
ポージィさんも、素敵な隠し玉がありましたね。(^^)
どうやら、みんな忘れてるだけで、それぞれ思い出があるのかもしれませんね。

>そのときの謝礼は私のランチ代と、TV東京の縫い取り付きの
タオルハンカチ1枚でしたよ〜(^^)

ウフ!(^^)
「可愛いこの子を見て欲しい。」という飼い主の親心は、普遍的ですもんね〜♪
テレビ局は、それを知ってるのかも…。

投稿: nanbu | 2005/09/07 11:59

 すごーい。
 撮影シリーズ三部作をおもわずイッキ読みしちゃいました。
 あるときはウッチャンの家だったり、またあるときは犯人宅だったりするnanbu邸…… すごいなぁ。もしかしたら僕もnanbu邸をテレビで見てるかも知れないですねぇ。

 いやいや、古い家もよいものです。
 今度は金田一耕助シリーズで築ン十年の設定でオファーがくるかもしれませんよ(笑)。

投稿: ろぷ | 2005/12/31 13:53

 
ろぷさん、コメントありがとうございます。(^^)
こんな過去記事なのに、読んでもらえて嬉しいです。

>もしかしたら僕もnanbu邸をテレビで見てるかも知れないですねぇ。

確率は低くても、その可能性はゼロではないハズですよね〜。
そんな事を考えると、ちょっと楽しいですね。(^^)

>今度は金田一耕助シリーズで築ン十年の設定でオファーがくるかもしれませんよ(笑)。

それ!イイかも♪
その時は、廃屋に潜むナゾの老人で、ついでにエキストラ出演しちゃったりして。(笑)

投稿: nanbu | 2005/12/31 16:55

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