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2005/09/23

お歯黒の陰謀

子供の頃、テレビの時代劇を観て不思議に思った事がある。
「なんでお侍さんがアイラインを引いているのだろう?」

そんな、不思議とも思える時代劇の「お約束」は様々。
今じゃちょんまげにスパンコールをお召しになったりして。
(あ、コレは違うか)

ところで、時代劇と言えば「お歯黒」も気になる。
当時の既婚女性は、皆していた筈だけれど、時代劇では省略するのがお約束らしい。

無気味さを際立たせるために、役どころによっては敢て黒くしている場合もあるけれど、やはりそれは例外というもの。
いくら美しい女優さんでも、ニッコリ笑ったら歯が真っ黒、では興醒めしてしまう。(ちょっと歯を黒くしただけでも可笑しいのは、お笑い番組を観れば分かりますもんね)

最近では、日本でも歯の矯正をしている人をよく見かけるようになったけれど、それだけ「歯」の大事さが認識されてきたのかもしれない。(芸能人を見ても歯並びの悪い人はまずいないし、デビュー前に何とかするらしい)
それ程に、歯は重要な意味を持っている。(あぁ……。自分にも一本、差し歯にしたい前歯があるんだけど……)


それなのに、当時真っ白い歯をしていたのは、子供か郭(くるわ)の女性くらい。
いくら綺麗な格好をしていても、お金で遊廓に縛り付けられる人生は切ない。

かといって、まっとうな人妻たらんとすれば、歯を黒く染めなければならない。
いくら慣習だったからとはいえ、その心情はいかばかりだったのだろう。

黒い歯が平気と思えるほど、それは美意識を左右するものだろうか。
そこに、社会に認められるための「諦め」はなかったのだろうか。

華やかな女性は貞節を諦め、貞節な女性は華やぎを諦めるストイックな社会。
そこには、ある種の政治的悪意を感じる。

社会の歯車の一つにならなければ、自分の居場所を見つけられなかったあの時代。
勝ち組も負け組も、哀れだったような気がしてならない。
 
9_22kuwagata
 
 
 
ビニールポットに出来た穴を覗いたら、
中にいたクワガタさんに威嚇されました。
もしかして、そこで冬眠する気ですかぁ〜?

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コメント

おはようございます。
「お歯黒」は虫歯を防ぐ役割も果たしていたと聞いた覚えがあって
ネット検索してみましたら、興味深いものが色々出てきました。

文化の歴史って面白いというか不思議というか…
かってはもてはやされ当たり前で、していない方がおかしいとされた
お歯黒化粧文化も、今ではにっこり笑った口元に黒い歯が並んでいたら
みんな引いちゃうんですものね。
明治時代に、文明の低い証ゆえ禁止するとおふれが出て以降徐々に
廃れたそうです。開国以降の日本は西洋文明至上主義?になりましたから、
お歯黒文化のまったくなかった西洋的見地からすると、未開地の野蛮な
風習・文化だったのかもしれませんね。

お歯黒の歴史を載せていらっしゃる歯医者さんのHPを
拝見したんですけど、面白かったですよ。
だからって、歯を黒く染めたいとは微塵も思いませんけどね~。

投稿: ポージィ | 2005/09/28 09:58

>ポージィさん、ありがとうございます!(^^)

>お歯黒文化のまったくなかった西洋的見地からすると、未開地の野蛮な
風習・文化だったのかもしれませんね。

世界には、様々な風習がありますよね。
中には、残酷と思えるくらいの。
でも、その人達にとっては、自分達の大事な文化なんですよね。

だから、軽々しく論じられるものじゃないと、重々承知はしているんですけど…。
ま、自分の国のだからイイかな?と。(^^;)

確かに、「習慣だったんだから、何とも感じなかったのかな?」
という思いもあるんですが、当時の他の慣習とかも考え併せて…。
当人は何とも思わなかったとしても、その裏に潜む「社会的悪意」という観点からはどうなんだろう?と、ちょっと気になっていた事を書いてみました。

それにしても、お歯黒に虫歯予防の役割があったとは知りませんでした。
「水飴を混ぜる」なんて記述もあったので、「歯に悪そ〜!」なんて勝手に決めつけちゃってたんですよ。(^^;)

投稿: nanbu | 2005/09/28 11:18

お歯黒にも社会的悪意、ひょっとしたらあったかもしれませんね。
やってる当人たちは長年の習慣で当たり前になってしまっていることでも、
辿ってみると、ある思惑のもとにやらされていること、というのありますから。

中国で行われていた纏足の風習とか、今でもアフリカあたりで行われている
ある習慣などを思い出しました。
どうも、女性を束縛するためのものが多いようで… 

投稿: ポージィ | 2005/09/28 12:01

>ポージィさん、ありがとうございます!(^^)

>ある思惑のもとにやらされていること、というのありますから。

あ、それなんです。私が気になってた事。
ただ、私もポージィさんの「お歯黒化粧」という言葉に、「あ、お化粧という側面があったんだ。」と思い至りました。(一時はやった太い眉とか、その時は流行の化粧法でも、今から見ると違和感あるものって、ありますもんね。^^)

いろいろな側面から考えると、また違った見方があって。
文化の歴史って奥が深いですねぇ…。

投稿: nanbu | 2005/09/28 12:35

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