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2006/05/13

笑気ガス

06montanaトランス雑記その12

風薫る五月となった。

すがすがしい風に吹かれていると、気持ちまでゆったりとしてくる。
そして、そんな気分になると思い出す事がある。

笑気ガスをご存じだろうか。

それを吸った人は、笑っているような顔になる事からその名がついたらしいけれど。
私も一度だけ経験した事がある。

三十手前の頃だっただろうか、初めて行った歯科医でのことだ。
お約束通り例のウィーンというやつで歯を削る時になって、その医師が言った。

「麻酔を打つ程ではないけれど、神経を削るので笑気ガスを吸入しましょう」

麻酔の注射もそれ自体結構痛いし、麻酔なしで神経を削られるなんて考えたくもない。
注射嫌いの私には渡りに船であった。


……それは酸素吸入の要領で行われた。
が、これといって別段何も変わらない。もちろん意識もハッキリしている。
そうこうしているうちに、いよいよ歯を削る段になってしまった。

「こんなんで大丈夫ですかぁ?」私の中で不安が……広がらなかった。

ちゃんと痛みは感じているんだけれど、不思議な事にそれが苦痛ではないのだ。
なにか、痛みなどという小さな事を不安がるのもカッタルイというか、どうでもイイヤといった感じ……。
そんな、鷹揚な気分になるのだ。

その時、「幸せそうな顔しちゃって……」という看護婦さんの揶揄する声が聞こえた。

失礼な話である。
こちらは笑気ガスを嗅がされて、否応なく弛緩した顔をさらしているというのに……。
頭の隅では「失敬な!」と思う自分がいる。
しかし、そんな下らない事は気にならない、金持ち喧嘩せずの心境になれるのだった。


笑気ガスを嗅いだのは、後にも先にもその時だけ。

「もしや実験材料にされてしまったのかも……」という猜疑心すら持っていたんだけれど。
インターネットで検索したところ、今でも使われているらしく、安心した。

とはいえ、日頃から些細な事に不安がったり腹を立てている私には、あの、なんとも言えないおおらかな心持ちが、懐かしくさえ感じられる。

もしかして、それも笑気ガスの後遺症だったりして……。(笑)

'04年5月1日

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コメント

笑気ガスについて、聞いたことはあります。
不安感を取り除くために使われることもあるとか…
nanbuさんは経験者でいらしたんですね!!!
痛みは感じるのに(えっ、痛くなくならないの!?)大丈夫っていう気になって、
例えカチンとくることを言われても腹が立たなくて?
へぇぇぇそんな作用があるんですか。

国内や、イラクやアフガニスタンやその他もろもろ、争いごとが終結しない地域で
密かに撒けないものでしょうか。みぃ~んな大らかな気持ちになって
戦争なんてあっという間に終わるかもしれません(^^;)

投稿: ポージィ | 2006/05/13 10:04

 痛いのに痛くないのですかっ。
 なんかすっごいなぁ。一歩間違えたらアブないクスリみたいです。
 僕は「痛みに強いね」とよく言われるのですが、本人は痛みをあまり気に留めてなかったりもするんですよねぇ。ひどい事を言われてもそれほど悩まないし。
 ……ひょっとして、体内で笑気ガスを作ってたりして。

 笑気仲間どうし。強く生きましょうね♪。

投稿: ろぷ | 2006/05/13 12:52

去年のこと、、娘が親不知を抜く時 変な生え方をしているので
かなり大変になるだろうと
そこの歯医者さん「笑気ガス」を使われたそうです
4本抜いてる私には1度も経験がありませんが
本人 痛みもないしとっても楽だったと♪

まっ 母はガスを使わなくても「お笑い系」ですけど(^o^)

投稿: miki | 2006/05/13 13:18

 
ポージィさん、コメントありがとうございます。(^^)

>(えっ、痛くなくならないの!?)

私の場合は、感じたんですよねぇ。
(ただ、それが苦痛に感じないってのがミソで。)
ひとことで言っちゃうと、やっぱ「カッタルイ」が一番近かったような。(^^;)
「もう、どうにでもして。」と言うか、「良きに計らえ。」みたいな?(笑)

>戦争なんてあっという間に終わるかもしれません(^^;)

そうですよね〜。
でも、そのためには全員が吸わないと。
吸ってない人がいると、その人のいいようにされちゃう危険もありますよね。(アヘン戦争みたいに)
その前に、誰も働かなくなっちゃいそうです〜。(笑)

投稿: nanbu | 2006/05/13 17:05

 
ろぷさん、コメントありがとうございます。(^^)

>一歩間違えたらアブないクスリみたいです。

そうなんですよぉ。(やっぱりアヘン系?)(笑)
なんたって「実験材料に?」って疑っちゃってたくらいで。(^^;)
なんて言うか、痛みを感じている体と精神的な自分との間に、フィルタがかけられたような感じでしたね。
「へえ、これが『痛み』なんだぁ…。」と客観的に見てるみたいな。

>……ひょっとして、体内で笑気ガスを作ってたりして。

スゴイ!ろぷさん、痛みに強いんですか?
私も、あんまり頭痛がひどい時に、「痛みもただの脳内信号」と思おうとした事ありますけど。(その時みたいに、痛みを客観的に分離しようと…。)
でも、やっぱり「痛いもんは痛い。」でした。(T_T)
ろぷさんは、それに近い事ができるのかもしれませんね。

投稿: nanbu | 2006/05/13 17:33

 
mikiさん、コメントありがとうございます。(^^)

あ、お嬢さんも笑気ガスの経験者なんですか♪
やっぱりフツーに行われてる治療法なんですね、ヨカッタ。(^^;)

>本人 痛みもないしとっても楽だったと♪

うんうん、その感覚わかります。快いカッタルさ。(^^)
ただ私の場合、苦痛ではないにしろ「痛み」はあったんですよね。
「そんなうまい話が…。」って猜疑心がジャマをしたんでしょうか?(笑)

確かmikiさんご自身は、親不知で大変だったんですよね。
私も歯医者さんとの縁は切れそうにありません。
できれば歯医者さんのお世話にならずに済むのが、一番楽なんですけど。(^^;)

投稿: nanbu | 2006/05/13 18:42

こんばんは
歯医者ではいつも麻酔の注射でした。
あの歯茎に針を刺すプツッ という音
それから麻酔液を注入するギギギッ という感覚
とってもイヤですねぇ。
しびれはくちびるまで広がって 治療の最後にうがいすると
くちびるの端から思いがけずドボボボボと水がこぼれるのも
情けないですねぇ。
正気ガスは脳に効くからそういうことがないんですね。

そういえば 以前 ひどい肩こりから頭痛,鼻痛,目痛の連鎖がよく起こってました。
そんなときにもらう薬は 痛み止めの頓服と共に筋肉を和らげる薬を処方してもらってましたが
じつはその薬,「抗不安薬」という神経科系にも使われる薬でありました。
それを知ったら余計にその薬にリラックス効果があるような気がして
愛用していました
飲んだら気が大きくなるような感じがしたから
小心者の私にはぴったりです(笑)

毎日飲酒するのもそういった感覚を求めているのかも知れません(^_^;)

※nanbuさんのお庭の花の感じ 好きです。
大きな花よりも 小さな花が一面に咲くのが好きです。
色も白,水色,紫の花をよく選んでます。 

投稿: ろーど | 2006/05/13 23:58

 
ろーどさん、コメントありがとうございます。(^^)

ひえぇぇ〜!思い出してしまいマシタ。
そうそう、麻酔の注射ってとってもイヤな感じですよね。
特に抜歯の時なんか、いくら痛みを感じなくなってると言っても、やっぱりギシギシと押したり引いたりしてる感覚はわかるし。(口の中で土木工事されてるみたいで。)
うがいの水がこぼれる情けなさも経験アリです。(T_T)

不安が痛みを増幅させるっていうのはありますよね。
(蚊に刺された跡を自分でつねる時は、痛いのが快感ですもん。)(笑)
逆に、リラックスできれば痛みも和らぐんでしょうね。

>※nanbuさんのお庭の花の感じ 好きです。

ありがとうございます♪
ろーどさんもガーデニングお好きなんですね。
白、水色、紫。小さな花がいっぱい咲いてると、トロけてしまいマスです。(^^;)

私も、あれからまだお医者さんに行ってなくて。
決して自分の体をいたわってるとは言えないんですが。(逆にイジメちゃってたり?)
体もろーどさんの一部なんですもん、可愛がってあげて下さいね。(^.^)

投稿: nanbu | 2006/05/14 07:45

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