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2006/06/18

父の日に寄せて

Maruta今日は父の日。

どこに行ってもカーネーションだらけだった母の日に比べると、地味なのは仕方ないのかも。

自分が子供だった時を思っても、これといって何もしなかったような気がするし。


もともと、父とはクールな関係だった。

別に、仲が悪かったというワケじゃないんだけれど。
親子喧嘩をした覚えもないし、そこまで強い感情を抱いていなかった。

聞くところによると、長兄の頃は厳しい父だったらしい。
それが、末っ子の私の頃には、ずいぶん丸くなって。
宴会のお土産に、寿司の折詰めを持って帰った姿とは、別人のようだ。

ただ、厳しかった頃の記憶もうっすら残っていて。
反抗心が芽生えなかった代わり、甘えようとする気持もなくしたのかもしれない。


去年のおねだりでも書いたけれど、私はおねだりをしない子だった。
だから、父にとっては可愛がり甲斐のない子だったと思う。

この前、父に横浜に連れてってもらった時の写真を思い出したけれど。
それを見て意外に感じたのは、自分が覚えていない事だけではなく、父と二人だけで行ったと聞いたから。
きっと、「断る理由がない」という理由だけで付いて行ったのだろう。

その道中の居心地の悪さを想像すると、苦笑いが込上げてくる。
それは、新入社員だった私が、初めて一対一で上司に飲みに誘われた時のような、気詰まりさだったのではないだろうか。


そんな父との関係が変わったのは、他の兄弟が結婚して家を出た後。
会社勤めを始めた私と、両親との三人暮らしになってからだ。

ちょうどその頃は、家を新築したばかり。
私が早めに会社から帰れた時には、買ってきたケーキをその応接間で食べてみたり。

ソファーに座って、紅茶をすすりながらケーキを食べる。
クリスマスでも誕生日でもないのに。
そんなおままごとのような事をしたのは、子供の頃できなかった事をやり直したかったのかもしれない。

暮には一緒に駅前まで行って、お正月用のしめ縄や輪飾りを買って。
そんな事の一つ一つが新鮮だった。

私が大人になって、初めて訪れた自然な父子の時間。

それは、長兄一家が同居するまでの、ほんの一、二年だったけれど。
賑やかだった我が家に束の間現れた、蜃気楼のような静かな時間だった。

その後、会社勤めに挫折した私は、結局結婚するまで実家にいた。
敷かれたレールの上を歩く事しか考えなかった私にとって、初めて経験した大きな挫折。
でも、そんな私が羽を休められたのは、まぎれもなく父のいる家だった。


子供の頃、おねだりができなかった自分だけれど。
私は大人になってやっと、父に甘えられるようになったのかもしれない。

お彼岸のお墓参り。
ひとり墓園の長い歩道を歩きながら、そんな事を考えたりしている。

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コメント

nanbuさん
こんにちは(^-^)v

いや~今日は父の日なのですね~。
もっとも、ミニバスの都大会で朝から全員出ていますのでPC触り放題の日曜日を楽しんでおります♪
まさに“父の日”って感じで自由な時間を使わせてもらっています。
クロアチア戦にそなえて床屋に行き(なんでやねん!)準備万端(笑)
そういえば今日、床屋でふと見上げた時…
鏡に映る自分の顔が亡き父親にそっくりだったのでビックリしました(あ~白髪だらけだよ…)

母の日に比べて父の日が質素なのは何ででしょうね?
子供にしてみれば、やっぱり絆が深いのは母親なのかな?
ぽぱいも父親とはほとんど話さなかったのですが、母親が44歳で亡くなってから親族は父親と二人だけになってしまい、だいぶ交流が深まったのですが…
考えてみたら何も親孝行してないので、結構悔やまれます~。

投稿: ぽぱい | 2006/06/18 13:48

 
ぽぱいさん、コメントありがとうございます。(^^)

いつもお仕事お疲れ様です、父の日楽しんで下さいね♪
お父さんにとって自分のためだけに使える時間って、結構ゴージャスだったりしますよね。(^^)

>鏡に映る自分の顔が亡き父親にそっくりだったのでビックリしました

あ、そうなんですよ!
メガネを外した時鏡を見ると、どこかで見たような顔が映っててビックリしますよね。
(しかも歳とともにどんどん似て来るし。)(・o・)

父親と息子って、もともとあまり話しませんもんね。
子供ってどうしても母親に目が行ってしまうし。
自分を振り返ってみると、父の日が地味なのもしょうがないんでしょうか。(^^;)

ぽぱいさんは早くにお母様を亡くされたと拝見した覚えがありますけど。
44歳だったとは。若すぎますよね。
さぞや心残りだったでしょうけれど、でも現在の頼りがいのあるぽぱい父さんを見て、きっと喜んでいらっしゃると思います。

床屋さんにまで行ったぽぱいさんの心意気、ドイツに届くといいですね!(^^)

投稿: nanbu | 2006/06/18 17:21

「父の日」って調べると・・
アメリカ人の女の人が 男手ひとつで育ててくれたお父さんに感謝の気持ちから提案した日なんですってね
確かに「母の日」に比べると 我が家も静かなもんです(^_^;

私の父親は58歳で逝ってしまったので
もし今生きてたら この年齢になったからこその会話ができただろうなって思います

5歳下の弟の何でもない仕草が 本当似てきました
(たとえば お風呂上りに ぼ~。と突っ立ったまま
テレビを見てる後姿とか)
うちの息子は1番似たくない「髪の薄さ」を
今から気にしています(^o^)

投稿: miki | 2006/06/19 23:10

 
mikiさん、コメントありがとうございます。(^^)

>確かに「母の日」に比べると 我が家も静かなもんです(^_^;

今年の「父の日」は、後日家内がご馳走してくれる事になってるんですが。
ウチの子に、「あのぉ、今日は父の日なんだけど…。」と言ったら、
「食事に連れてってもらえるんだからイイじゃん。」の一言だけ。
いつもカーネーションを買ってくるのは私だし、
当事者はお気楽なもんです。(笑)

>私の父親は58歳で逝ってしまったので

まだまだこれからの時なのに。
せめて、退職後のゆっくりした時間を過ごしていただきたかったですね。
自分の年齢が近くなってきただけに、なおさらそう感じます。

ただ思い出してみると、私と父との会話は、最後まで子供と親だったような気もします。(^^;)

父と長兄と私、自分でも似てると思うんですが、
姪の旦那さんに言わせると、三人とも「同じ。」だそうです。(^o^)

投稿: nanbu | 2006/06/20 08:22

こんにちは。
母の日や父の日に感謝の気持ちを伝える、ってほとんどしたことなかったです。
いまでこそ母の日は、お祭りのように広告も花もあふれかえりますが、
私が子供の頃はそれほどでもなかったし、父の日なんて未だに静か(^^;)
自分が勤めるようになって2~3年してからやっと、父にスーツを
プレゼントしたら舞い上がっていました~(笑)

親とは、やっぱり自分もある程度年齢がいってこそ話ができるという部分が
あるように思いますね。私は今こそ母と色々と話がしてみたいです。

男の人って、そんなに父親と似るものですか?(^^)
私の兄は両親より父方の伯父に似ているような…。
夫もあんまり義父に似ているとは思わないけれど、他の人は声がソックリだと
言ってます。そうかなぁ?
身近なほど似度合いがよく分からないものなのかな。
nanbuさんとお父様とお兄様は、お三方並ばれたら見分けが付かないんですね(^_^)

投稿: ポージィ | 2006/06/20 10:23

 
ポージィさんコメントありがとうございます。(^^)

え〜!凄い!!スーツだったら私も舞い上がっちゃいマス〜。
物静かだったお父様が舞い上がるくらいなんですもん。
きっとマックスの喜びだったんじゃないでしょうか。(^.^)

>私は今こそ母と色々と話がしてみたいです。

大人になってからだと、気負わずに、照れずに話せる。というのはあるかもしれませんね。
確か、ポージィさんも早くにお母さまを亡くされたんですよね。
私の母も幼い頃に両親を亡くしてるんですが。
よく、「親がいるだけでありがたいと思いなさい。」と言われました。
今になってみると、それがよくわかります。

>nanbuさんとお父様とお兄様は、お三方並ばれたら見分けが付かないんですね(^_^)

当人にしてみれば、プルプルと激しく頭を打ち振りたくなりますが。
客観的に見ると、やはりまったく否定はできないような。(笑)

投稿: nanbu | 2006/06/20 14:15

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