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2006/08/18

見知らぬわが子

Yamatosijimiお盆ということで、今年も実家に行って来た。

その帰り道。
ターミナル駅まで辿り着いた私達一家は、快速電車に乗り換えようと、ホームを急いでいた。

発車まで数分の車内には、立っている人もチラホラ。
とても三人で座る席はなさそう。
早足で歩きながら、とりあえず空席があったらバラバラに座ろうという話になった。

するとウチの子は、「年とってンだから先に座れよ」と言う。
「失礼な!」
しかし、すでに席取りモードに入っていた私は、そんな挑発に乗っているヒマはない。
意に介さず素早い行動に出た。

いつも通り、最初に見つけた空席に子供を座らせ、自分の席探しに取りかかる。
家内も、向いのシートでなんとか確保したようだ。
後は自分だけ、と思ったけれど、これがなかなか見つからない。

これじゃぁ仕方ない。
三人の内二人座れれば、勝率六割六部六厘。
ツアコンとしては、まあまあの戦績かな?

なんて思いながらウチの子の前に戻ると、「座りなよ」と私に席を譲ろうとする。
あ、さっきのは口だけじゃなかったんだ。

戸惑いながらも、言われるまま席に座って見上げた息子は、少し大人びて見えた。


よく、西洋では親が座り、子供は立たせるらしいけれど。
(イギリスには「子供は犬のように躾ける」なんて言葉まであるそうだし)
でもそれは、個室やファミリールームがあるようなお国だからのような気もする。
(私が子供の頃は、ふすま一枚隔てた隣の部屋で、息を殺して来客が帰るのを待っていたし)
高床式の住居で、身を寄せあって生活している民族はそうもいかない。

なにより、その方が楽なのだ。
電車の揺れで転ばないか、周りに迷惑を掛けないか。
そんな心配をするより、とりあえず目の前に座らせとけば安心できる。
精神的疲労より、肉体的疲労の方がマシという訳だ。

小さかった頃、外の景色さえ見せておけば、大人しくしていたのも助かった。
ただ、空席がない時は、ダッコしなければならない時もあったけど。
(当時の駅や車内では、ベビーカーをたたまなきゃいけなかった)
それが少し大きくなって、立ったままドアの窓に背が届くようになった時は、肩の荷が下りた気がしたものだ。


……そんな事を思い出しながら、ふと目を開けると、もうそこにウチの子の姿は無く。
慌ててあたりを見回すと、ドア一つ隔てた向こうのシートに、チャッカリ(いや、シッカリ)空席を見つけたようだ。
すました顔で、一人座っている。

あぁ……。知らない間に成長したもんだ。


電車が最寄りの駅に着くまでのしばしの時間。
乗客の間から、時折見え隠れするわが子の姿。

それは、私がいつも見慣れているのとは、違う顔をしていた。

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コメント

お顔も知らないのに 
電車内でのnanbuさんと息子さんの様子が目に浮かぶようです(^^)
父親が息子を見る眼差しって 母親とはまた違って 
一歩引いていながらも 
「男」として見てるんじゃないのかなって思いました

体を労わるような言葉をかけてくれるようになると
生意気になりやがって!と思いながらも
嬉しかったりするもんですよね

>私がいつも見慣れているのとは、違う顔

家庭内では見せない いっちょまえな顔(^^)
大人への階段を登り始めてるんですねぇ。。

投稿: miki | 2006/08/18 17:29

いつもnanbuさんのまなざしは暖かいですね。
今、とても落ち込んでいるので、nanbuさんのつぶやくような言葉が胸にしみます。
あ、涙がでてきました^^。
これ以上言葉にならないので、またあとでおじゃまします。

投稿: koko | 2006/08/18 18:09

nanbuさん
優しい息子さんですね♪
ウチの子に爪の垢を煎じて飲ませて下さい(笑)

バーベキューこそしませんでしたが、厳しい修行から戻ってまいりました。
パソコンに一週間も触らずにいると禁断症状が起きるかと思っていましたが、意外とあっさりしています(むしろ億劫な感じです)。

またお騒がせすると思いますが、よろしくお願い致します。

投稿: ぽぱい | 2006/08/18 19:46

 
mikiさん、コメントありがとうございます。(^^)

>体を労わるような言葉をかけてくれるようになると

そうですね。
「あ、労られちゃった(弱味を握られた)」と焦る気持の裏で、
チョッピリ嬉しかったりしますよね。(^^;)

自分としては、日頃あまりお父さんぽくないかな?
と自省してるので、父親の眼差しと思ってもらえたのなら、
それも、チョッピリ嬉しかったりします。(笑)

>家庭内では見せない いっちょまえな顔(^^)

家でのだらしない様子を見てると、
「これで大丈夫かいな」と心配してしまいますけど。
出るトコに出ればちゃんとするんですね。
(あれ、自分もそう思われてたり?)(・o・)

投稿: nanbu | 2006/08/18 19:51

 
kokoさん、コメントありがとうございます。(^^)

お気持ちスッゴクわかります!
自己嫌悪ほど落ち込むものはありませんよね。

でも、そんな経験は、きっとみんなにあると思います。
私なんかしょっちゅうそれで落ち込んでるんですから。
あまり自分を責めないで下さいね。

投稿: nanbu | 2006/08/18 20:07

 
ぽぱいさん、コメントありがとうございます。(^^)
お帰りなさ〜い。

>ウチの子に爪の垢を煎じて飲ませて下さい(笑)

大丈夫、ぽぱいさんも後何年かすれば経験しますよ〜♪
私も、ちょっと前までそう思ってたんですもん。(^o^)

>バーベキューこそしませんでしたが、厳しい修行から戻ってまいりました。

あ、ごめんなさい。(・o・)
書き込んだ後、もしホントに厳しい修行だったらどうしようと、身悶えておりました。
(でも、12時間飲みっぱなしって、何なのかとっても気になります。)
詳細を楽しみに、また伺わせて下さいね。(^^)

こちらこそ、よろしくお願い致します。

投稿: nanbu | 2006/08/18 20:24

子供に寄せる親の気持ち、というのを、
実感はできないのですけれど想像ではわかる気がします。
成長した姿を垣間見て、安心したり頼もしく思ったり、
そしてやっぱり少し寂しくもあったり。
ちょっぴり複雑気分の、でも温もり感あふれる
お父さんとしてのnanbuさんのお言葉に、
私はちょっぴり哀愁を感じています(^^)

日本では子供をまず座らせますね。
ふーむ、その違いにはそういう文化的背景が関係していたか、
とその点も興味深かったです。

投稿: ポージィ | 2006/08/19 10:33

 
ポージィさん、コメントありがとうございます。(^^)

楽になったなぁ、とホッとする反面、
また一つ、自分のお役目がなくなっちゃったなぁと。
微妙な男心、察してもらえて嬉しいです。(^^;)

>ふーむ、その違いにはそういう文化的背景が関係していたか、
とその点も興味深かったです。

あ、そのへんは多分に言い訳が入っておりますので、読み飛ばして下さいませ。(笑)
でも、確かに西欧では大人が主役ですよね。
だから、厳しく躾けるのでしょうし、大人しくできない内は人前に出さないというか。
アジアモンスーン地帯の島国では、舞台裏を隠し通すのが難しゅうございます。(^^;)

そういえば子供の頃。
なかなか帰ってくれない来客に、こっそりホウキを逆さに立てて、
手ぬぐいを被せるおまじないをした事がありまっす。(^o^)

投稿: nanbu | 2006/08/19 12:27

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