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2006/08/03

健気さの行方

Minomusi最近、つくづくネタに助けられていると思う。

停滞モードからの建て直しを図っていたら。
スズメは隙間に落っこちるし、蛾は飛び込んで来るし。

そして先日は、とうとうこんなのまで現れた。


ある時、ふと見ると引き出しの側面に、3cmほどの綿ボコリが付いていた。
どこからともなく吹いて来る風に、そよそよと揺れている。

こんな所になんでまた。と、よく見てみると。
その接点からは、なにやらモゾモゾと動くものが。
なんと、綿ボコリだと思ったのは、ミノムシの簑だったのだ。

普通は枯れ草を材料にするんだろうけれど、家の中ではそれも叶わず。
綿ボコリで代用したようだ。
ボロは着てても心は錦。アッパレなその心意気は、健気ですらある。


「ミノムシがいるよ!」
面白そうな事には目がないウチの家族。私の一言で一斉に集まってきた。

しかし、よく見ようとブラインドを開けたり、ウチの子などコンコン叩くもんだから。
身の危険を感じたらしい。コソとも動かなくなった。

「ただの綿ボコリよ。」早々に引き上げる家内。
しばらく粘った息子も、やはり綿ボコリという判断を下したらしい。
おいおい……。
これでは私の立つ瀬がないではないか。

「絶対に、動かぬ(いや、この場合は動く)証拠を見せてやる」。私は心に決めた。

でも、一瞬の後には自分が何をしていたか忘れてしまうこの頃。
忘れてる間に、どこかに隠れられたら大変だ。(もう蛾はイヤ!)
意地からとはいえ、これはかなりリスキーな勝負でもあった。

……だが、私が危うく勝負を忘れかけた時、その瞬間が訪れた。

今度は逃げ切ることに方針を変えたらしい。
ミノムシは、さっきの場所から10cmほど離れた所をウニウニと登っている。
「ホラ、見てごらん」
勝ち誇った私の言葉に、わが子はある種の感慨まで浮かべ、深く頷くのであった。


さて、目的を果した後は、お引き取り願わねば。

「よしよし」。大した抵抗もせず、ティッシュに乗り移るのも好ましい。
その時点で、私はこのミノムシに、少なからざる好意を寄せていたと思う。

にもかかわらず、バルコニーのコノテガシワの鉢に逃がしてやった時、すぐにそれを悔やんだ。
そこには、すでに先客がいたのだ。
1、2、3、4、5……。
慈しみに満ちていた私の心は、一瞬の内に恐怖に染まった。


どうやら、健気さというのは、無力なるものに対してこそ芽生える感情らしい。
そして同時に、「数」というのは、それ自体充分な力を持っていると悟ったのだった。

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コメント

こんばんは。

ミノムシさんですか。
一匹ならかわいらしいですが、さすがに何匹もいられたら困ってしまいますね。
それにしても、綿ボコリで蓑を作るなんてすごいです。
プラスティックのキャップを背負うヤドカリのようです。
その後のミノムシが気になります。
あとでこっそり教えてください^^。

投稿: koko | 2006/08/03 21:32

 
kokoさん、コメントありがとうございます。(^^)

でしょ〜?
一匹ならいいんですけどねぇ。

>プラスティックのキャップを背負うヤドカリのようです。

あらぁ、今はヤドカリも住宅難なんでしょうか。
必要は発明の母というか、貝殻よりも手近にあるんだったら寂しいですね。

ミノムシのその後。
風で飛ばされたのか、綿ボコリもなくなってて。
新しい簑に着替えたのかもしれませんです。
(お仲間は、相変わらず鉢の地面の上でもぞもぞしてました)(^^;)

投稿: nanbu | 2006/08/03 22:31

ミノムシ好きでした。

と書くとお前は虫マニアかと言われそうですが、子供のころはミノムシがどこまで廃材利用してミノを作るか、遊んだことがあるので懐かしい。

ちぎった新聞紙は初級で場合によってはもっとおおざっぱなものでも強引に引き付けるし、ネタがつきればクリップみたいな鉄製品まで手をだします(^_^);;

虫マニアだった私でも数が増えるとやっぱりダメかも。

ヤドカリもよく実験して、引越近いヤドカリにあえて人工的な器を与えたり、透明なビン置いたりして彷徨う彼等を観察するのです。

あ、でもマック周りのホコリは危険ですよ、昔所属していたスタジオで、タワー型の外枠を外した時に、まるでアフロヘアーみたいにタワー型のホコリが奇麗にそびえ立っていた時は、DELLのノートみたいに燃えなくてよかったなーと思いましたから。

投稿: くさなぎ | 2006/08/07 23:16

 
くさなぎさん、コメントありがとうございます。(^^)

あは♪やっぱり、愛でるには少数の方がいいみたいです。(笑)

そういえば、色とりどりの紙クズをまとったミノムシの写真、見た事あります。
ミノムシは廃材利用のプロだったんですね!
それにしても、鉄製品にまで手を出すとは…。(元祖合体ロボ?)

>透明なビン置いたりして彷徨う彼等を観察するのです。

なるほど!子供の頃思いつけば、夏休みの自由研究にできたのに。
(あ、でも生のヤドカリって、見た事ないかも。)(^^;)

>タワー型のホコリが奇麗にそびえ立って

す、すご…。まさに演算する空気清浄機。(・o・)
掃除機の集塵カップを開けた時みたいなんですね。
ハイ、いつもは四角い部屋を丸く掃いてるんですが。
マックの周りも掃除する事にしますぅ。

投稿: nanbu | 2006/08/08 09:59

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