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2006/09/08

もののあはれ

9_7murasaki年を取ると涙もろくなるなんて言われるけれど。
それはあるかもしれない。

感受性といえば、なんといっても若い頃。
でも、年を重ねると、それとは違う、別の感受性が芽生えるような気もする。

SMAPじゃないけれど、「心のやらかい場所」が変化するようなのだ。


若い頃は、しなやかで弾力があったその場所。
そこから、ハリがなくなり、恥じらいや気負いといったものが消える。
すると、スカスカになったそこに、染み込むこと染み込むこと。

高分子吸収体(紙オムツですね)が水を吸収するのとは違って、高野豆腐とかヘチマが水分を吸い込むように。
多孔質のそれに、「もののあはれ」がジンワリと染み渡る。

ちなみに、@nifty辞書によると、この「物の哀れ」。
「外界としての『もの』と感情としての『あわれ』とが一致する所に生じた、調和的な情趣の世界をとらえていう」んだそうな。
(イマイチわかりませんが、何かが心の琴線に触れちゃった時みたいな感じでしょ?)


ところで、時々ウチの子の国語の教科書を覗いたりするけれど。
これがまた良いンだわ。(教材と思わなければ、ね)
「えぇ話や……。」感激した私が同意を求めても。
ウチの子は、「はぁ?」と、つれない返事をするばかり。

脂ののった肌が、シャワーの水滴を弾くように。
受け入れようともしないのが、もったいない。
水分に飢え、カサカサに乾いた私の肌は、こんなにも潤いを求めているのに。


さて、教科書に戻ると。
一学期は古典を勉強してたらしい。
そういえば、夏休み前に「月日は百代の過客にして」なんて暗記していたし。
その前は、万葉集や古今和歌集。
「うんうん」こうやって解説してもらえれば、私でもシミジミ味わう事ができる。

花の色は移りにけりないたづらにわが身世にふるながめせしまに 小野小町

なんでも「降る」と「経る(時が経つ)」。
「長雨」と「眺め(物思いする)」は掛詞(かけことば)になってるんだそう。

むなしく月日が過ぎ、物思いに耽っている間に、私も色褪せてしまった。
長雨で花の色が褪せてしまったように。ってな感じだろうか。

絶世の美女と謳われた女人が詠んだ歌となれば、その言葉はいっそう重く響く。
そして私のヘチマは、いやが上にも重くなり、あわ立つ。
高野豆腐には味が染み込む。


とまぁ、感慨に浸ったりするんだけれど。

紙オムツは一度取り込んだ水分を離さない。
その点、ヘチマは乾き(忘れ)やすいってのが欠点かしらん。

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コメント

私の心の隙間に、nanbuさんの言葉がじわ~っとしみこんできました。
下手なコメントはつけられません^^;。

>恥じらいや気負いといったものが消える

これはすごく感じますね。
そして、あんなに嫌いだった自分を許せるようになり、
生きていくのが楽になってきました。
私は味の染みた高野豆腐をめざそうかな・・・。

投稿: koko | 2006/09/08 12:53

 
kokoさん、コメントありがとうございます。(^^)

若い頃にあったものがなくなると、その分受け入れるスペースができるのかもしれませんね。
まだ、そんな気がして来たっていう程度ですけど。(^^;)

年を重ねると、「許せ」たり、「楽に」なれるってありますよね。
私も、少し「ゆるく」なれたかなぁと思います。
(これもやっぱり、少しですけど)(笑)

味の染みた高野豆腐、美味しいですよね。
ヒジキとか昆布の佃煮とか、子供の時はそれほどでもなかったのに。
最近シミジミ美味しいと思うようになりました。(^o^)

投稿: nanbu | 2006/09/08 16:28

10代の思春期の頃は感受性豊かだと言うけど
歳を取ってからの方が 受け入れ態勢だけは成長した気がします(^^)

某ぽぱいさんのように イタズラ書きしてた教科書も
今読めば素直に心に入ってくるんでしょうね
高校1年の冬休みに 古典の宿題で
百人一首を全部暗記ってのがありました
ただひたすら覚えて 3学期始めにテストすると98点♪
(上の句と下の句を線で結ぶだけのものです)
でもね、、意味など考えずに丸暗記しただけでした~(^_^;

投稿: miki | 2006/09/08 23:38

 
mikiさん、コメントありがとうございます。(^^)

「受け入れ体勢」っていいですね。そうそう、そんな感じ。
とりあえず味わってみようかな?と思えるようになりました。

>今読めば素直に心に入ってくるんでしょうね

そぉなんですよぉ。(私も落書きしてましたけどン♪)
自分でもビックリするくらいスーっと入って来るんですよね。
(後で試験に出ると思わないで読めるのは嬉しいですぅ)(^^;)

>意味など考えずに丸暗記しただけでした〜(^_^;

百人一首を全部暗記なんて気が遠くなりそう。(・o・)
それで98点なんてスゴイです!
私も、平家物語の序章は試験に出ると言われて、必死で覚えマシタ。
もちろん意味なんて考えませんでしたけど。
今になって、頭の中でジンワリ昆布のおダシが染み出して来ました。(笑)

投稿: nanbu | 2006/09/09 07:28

こんにちは。
私は頭が柔軟と言われる子供の頃から暗記は大の苦手でしたから、
学校で習ったことは、情に訴えてきた部分しか記憶に残っていません。
その中のひとつが
「花の色は移りにけりないたづらにわが身世にふるながめせしまに」
でした~。
高校生にして儚さを感じ取ってしまったんですねぇ…
(掛詞のことは教わったのかどうだったか忘れてしまいましたが)
最近なんて、しょっちゅうこの歌を思い出しています。

噛み締めるほど味わい深い高野豆腐のような人に、私もなりたい…(^^)

投稿: ポージィ | 2006/09/09 11:17

 
ポージィさん、コメントありがとうございます。(^^)

>最近なんて、しょっちゅうこの歌を思い出しています。

私はコロッと忘れてたんですけど。(^^;)
今回改めて読んでみて、切実に迫って来ると言うか、心が粟立つ思いがしました。

人生五十年と言われる以前のあの時代は、もっと短命だったでしょうし。
(その分早熟だったとは思いますが)
人生を駆け抜けちゃった人々の溜息が詰まってるような気がしました。
もしかしたら、今の自分の方が年上かもしれないし。
色々な事を考えさせられてしまいます。

たっぷり味の染み込んだ、高野豆腐のような人。
私もなりたいです。(^^)

投稿: nanbu | 2006/09/09 12:44

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