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2007/05/16

竹馬の友/その2

5_8sirotume期せずして竹馬乗りがウケた後。
私はまた、去年のように近所の散策に出た。


それは中学校への当時の通学路。
でも、大通りから一本入ったその小道にも昔の面影は残っていなかった。

途中で横道に入り、さらに一本横の道を引き返していると。
はからずも、またあの道に出てしまった。

引越す前に住んでいた家がある、路地に通じるあの道。

アキオ君の家の前を通り、タアちゃんちの角を曲がってかつての我が家を通り過ぎると、斜め前はシゲオ君の家。
共に竹馬で遊んだ幼馴染みを竹馬の友と言うのなら、シゲオ君こそまさにそうである。
それこそ毎日のように遊びに行ったものだった。


それが、同じ町内とはいえ中学生になる頃私が引越してからは、パッタリと行かなくなって。
私より一つ下だったシゲオ君も中学生になり、坊主頭で再び出会った時。
もともとシャイだった彼は、私に対しても恥ずかしそうにうつむくだけだった。

その後も、年賀状のやり取りだけは続いていたけれど。それも随分前に途絶えてしまって。
お互い遠慮がちに伸ばしていた触手は、時間の流れの中にいつしか埋もれてしまった。


その、シゲオ君の家の前を通ると、なんと脚立の上では中年のオジサンが庇のペンキ塗りをしているではないか。
そしてそれを、年輩のご夫人が不安そうに見つめて……。

もしやシゲオ君とお母さん?
ノホホンと「あの頃」モードだった私の頭は、突如高速回転を始める。


……しかし、私は声を掛けられずに通り過ぎてしまった。

それは、ペンキ塗りの邪魔をするのがはばかられたからだろうか。
それとも、帰る時間が気になりだしていたからだろうか。

いや、本当はその触手を動かすのが怖かっただけなのかもしれない。

長い年月の中で、その上に堆積してしまったものはあまりにも多すぎる。
今さらそれを動かしたら、いっぺんに塵が舞い上がってしまいそうで。

そっと、その場を立ち去るしかなかったのかもしれない。

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コメント

竹馬の友その1の「アカツメクサ」その2の「シロツメクサ」の花色が
何かを象徴しているような…

遠慮がちに伸ばしあっていたのに結局途絶えてしまった繫がりとその思い出。
いま、もしかしたらと胸をドキドキさせつつもそのまま通り過ぎずにいられなかった
そのときの心境、よく分かる気がします。
「長い年月の中で、その上に堆積してしまったものはあまりにも多すぎる。
 今さらそれを動かしたら、いっぺんに塵が舞い上がってしまいそうで。」
…同じ場面に遭遇したとき、nanbuさんと私の心の中の思いにはもちろん
違いがあるでしょうけれど、私もそっとそのまま通り過ぎてしまうタイプです。

投稿: ポージィ | 2007/05/16 10:11

 
ポージィさん、コメントありがとうございます。(^^)

子供の頃の思い出にあうような写真を、と思って探したらこの二枚を見つけて。
迷わず決めました。(^o^)
自分でも気づかない深層心理が働いたのかもしれませんね、きっと。
(でも、「アカツメクサ」を「レンゲ」だと思ってたのは内緒です)(^^;)>

そのまま通り過ぎちゃった時の心境、分ってもらえてホッとしました。
あの後、やっぱり声をかけるべきだったのかなぁとか、色々考えてしまってたので。
そういう時って、なんか思考が硬直しちゃうというか、身動きがとれなくなっちゃうんですよね。
(下手にいじって壊したらどうしようとか思っちゃって)(T_T)

投稿: nanbu | 2007/05/16 12:26

東京、神戸、広島と転々としてきた私からすると

>アキオ君の家の前を通り、タアちゃんちの角を曲がってかつての我が家を通り過ぎると、斜め前はシゲオ君の家。


こういう状況は凄く羨ましいです♪
私にはそう簡単には昔の記憶が甦る場所へ行くことはできません
だから もし私だったら
勇気を出して声をかけたかもしれません(^^)

投稿: miki | 2007/05/16 19:49

 
mikiさん、コメントありがとうございます。(^^)

>東京、神戸、広島と転々としてきた私からすると

あ、確かに。それだとそう簡単には行けませんもんね。(・o・)
いつでも出来ると思っていると、結局いつまでも出来なかったり。
逆に、今しか出来ないと思うと結構テキパキと行動出来たりして。
もう二十年以上も毎年実家に行ってるのに、以前住んでた家に行ってみようと思い立ったのは去年が初めてだし。
ただ、バッタリ出会うなんていうのは滅多にないことですもんね。
ちょっと勇気が足りなかったかもです。(^^;)

投稿: nanbu | 2007/05/16 21:02

nanbuさん、こんばんは~。
「竹馬の友/その2」拝見させて頂きました(^0^)v

>いや、本当はその触手を動かすのが怖かっただけなのかもしれない…

まさに本音かもしれませんね。
性格にもよるのでしょうが、こういった経験は誰にでもあると思いますよ。
脳天気なぽぱいでもnanbuさんのキモチはよ~く分かります。
きっと“寅さん”や“浜ちゃん”なら、見掛けた段階で声をかけていたと思いますが、あの方たちはあくまでも想像上の人物ですからね~。
昔の友達に道でバッタリ会ったとしても、話す事なんてありませんもん…

孔子の教えにも…
「昔の友よりネットの友」って言葉があるぐらいですから(笑)

投稿: ぽぱい | 2007/05/17 20:54

 
ぽぱいさん、コメントありがとうございます。(^^)

>nanbuさんのキモチはよ〜く分かります。

ぽぱいさんにもそう言ってもらえて嬉しいです〜。
(やっぱりみんなそんな経験があるんですね)
みんなで塵を舞い上がらせるのが前提の同窓会ならいいんですけど。
無防備な相手の日常を目の当たりにすると、ちょっと。(^^;)
道でバッタリはやっぱキツイものがあったりして。
子供の頃の面影がなかったのも、鏡を見るようで辛うございましたが。(T_T)

>「昔の友よりネットの友」

ありがとうございます〜♪(^o^)/

投稿: nanbu | 2007/05/18 08:03

でも、またそこに住んでいる、と分かったんだから、いつでも心の準備ができしだい、会いに行けますよね。向こうの都合もあるだろうけど、きっと楽しい第二章がはじまるのではとも思います。
自分のブログにも書いたんだけど、小学校の同級生とひょんなところでまた連絡をとっているんだけと、なかなか面白いですよ。オレが覚えていることを向こうが全然覚えていなかったり、その反対もあったり。
ヤツはスマートだった昔のオレを覚えているんで、まだ会うことはできないんだけど(笑い)。

投稿: yochy | 2007/05/20 19:34

 
yochyさん、コメントありがとうございます。(^^)

あ、そうですよね!(・o・)
なんか自分で勝手に最後のチャンスのように感じてましたけど。
会う機会がなくなったワケじゃないんですもんね。
なんで気がつかなかったんだろうと、今ちょっと不思議な気がしています。

ええ、ええ。その同級生とのお話拝見しましたよ〜。
相手と自分の覚えていることが違うって面白いですね。
同じ事柄でも、それぞれ印象の残り方に差があるんでしょうか。
私もその時に新たな事実が発覚しちゃったらどうしよう(笑)。

投稿: nanbu | 2007/05/20 21:58

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