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2007/08/25

飛んでいく雲

07825kumo東向きのバルコニーに陽が陰る頃。
私は椅子に座って、ぼんやり空を見上げていた。

上空には強い風が吹いているのだろうか。
青い空を、気持良さそうに白い雲が飛んでいた。

その時、ふと自分の座っている椅子が、後ろに動いているような気がした。

普段は動かないでそこにある雲。
それが思わぬ速さで移動していたから、一瞬そんな錯覚を感じたらしい。


それは、とっても懐かしい感覚。

子供の頃、乗っていた列車が駅に停車している。
そして、同じく隣に停車していた列車が動きだす。
すると、まるで自分が乗っている車両が、いきなり反対方向に滑りだしたように感じて驚いたものだ。

車窓からの眺めの、そのほとんどすべてを占めていた隣の列車。
止まったままだと思い込んでいるそれが動きだした時。
あたかも自分の側が動いたように勘違いしてしまうものらしい。

でも、周りの景色をよく見ると。動いているのは隣の列車だけ。
その隙間から見える駅は動いていない。
それを確かめられると、なぜだかホッと安心できたのだった。


同じように、バルコニーの椅子も動いたわけじゃない。

空を行く雲が、あんまり颯爽として見えたから。
まるで自分が後ずさっているように感じてしまっただけ。

ただそれだけ。

そんな当たり前のことに、やっぱりホッとして、そっと足元を見るのでした。

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コメント

>あたかも自分の側が動いたように勘違い

私もつい最近 信号待ちで経験しました
停車中に横の車が動いて というのはたまにあるんですが
今回は前の車、、一旦停車したのに
少しずつ少しずつ前方へ動いて行きました
一瞬 私の車がバックしてるのかと思い
ブレーキを確認したぐらいです

流れて行く雲を見ながら足元を確認するような
穏やかな雰囲気ではなく
なんだか焦った瞬間でした(^_^;

投稿: miki | 2007/08/26 09:34

 
mikiさん、コメントありがとうございます。(^^)

>一瞬 私の車がバックしてるのかと思い。

あっ!そうそう!!(・o・)
車の中でもそんな錯覚をすることありますよね。
そういえば、免許を取って間もない頃のことを思いだしたんですけど。
私の場合は逆で、信号待ちしてたら前の車がバックし始めて。
危ない!と思ってブレーキを踏みしめたら止まりました。
(つまり実際に動き出したのは自分の車の方で)
自分ではブレーキを踏んでるつもりが、踏み込む力が足りなくてクリープで動き出しちゃったみたいです。
それ以来、停車中はブレーキをちゃんと踏み込むようになりました。(^^;)

投稿: nanbu | 2007/08/26 15:02

わぁ、こういう経験私もあります。
私の場合、電車に乗っているときがほとんどです。
隣の線路に止まった電車が動き始めたとき感じる錯覚。
なぜだか、一瞬ドキッとして、そして、あぁ動いてるのはあちらか
と気づくとホッとします。自分の体が動きを察知していないのに
目には動いているように見えることのアンマッチに、本能的な不安を
感じているのかもしれませんね。
今回nanbuさんが経験されたような、椅子に座っていて、
雲が流れていくのではなく自分が空を飛んでいくような錯覚は
何だかすてきですねぇ。
そのまま風を感じながら目を閉じたら、空想世界に遊びに行けそうです。
(いま「ハウルの動く城」の1シーンを思い出していました)

一つ前の記事ではもくもくと盛り上がった入道雲、
今回は本当にふわりふわりと軽くて柔らかそうな雲ですね。

投稿: ポージィ | 2007/08/27 11:21

 
ポージィさん、コメントありがとうございます。(^^)

>自分の体が動きを察知していないのに
目には動いているように見えることのアンマッチに、本能的な不安を
感じているのかもしれませんね。

↑自分が動いていないことを確認して、ナゼだかホッとする心理。
見事に言い表わしてもらえたような気がします。
体の感覚と視覚のズレで不安にさせられるんでしょうね。(・o・)

実は記事はなんとか書けたものの、写真がないことに気づいて。
UPする直前に慌てて撮った写真なんです。
(その日が雨じゃなくてラッキーでした)
前回の入道雲、モコモコでソフトクリームみたいですよね。
それが面白いと思ったんですが、空や雲にはいつも助けられてます。(^^;)

投稿: nanbu | 2007/08/27 15:14

nanbuさん、こんばんは~。
駅の電車や信号待ちの車の話、分かります分かります!
同じような感覚だと思うのですが…
小学生の頃、塀の上を長い事歩いているうちに、自分が動いているのか回りの景色が動いているのか分からなくなってしまった経験があります。

しかし、“雲を眺めていて椅子が後ろに動いているような気がした”とは、nanbuさんどっぷりと世界に入り込んでいたのですね~。

投稿: ぽぱい | 2007/08/27 21:13

 
ぽぱいさん、コメントありがとうございます。(^^)

おぉ!その錯覚は、また一ランクレベルが高いですね〜!!(・o・)
歩いている時って、近くにあるものほど速く動いて、遠くにあるものはゆっくり移動しますもんね。
高い位置でいつもより遠くに見えた地面が、普段と違う動き方に見えて感じた錯覚なんでしょうか。
(宙を浮遊してるような感覚?)
そういえば小さい頃、鏡を手に持ってそこに写る天井を見ながら歩く、という遊びをしたことがあるんですけど。
同じように宙に浮いたような感じがして面白かったです。
(鏡に写った鴨居を通り抜ける時のスリルがたまりませんでした)(^^;)

投稿: nanbu | 2007/08/28 09:46

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