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2007/12/22

夕暮れのモミの木

07tree出せば出したで掃除が大変だし。
後片付けのことを考えると、後回しにしたくなるんだけれど。

もうすぐクリスマス。
そろそろツリーを出さなくちゃ。

誰が喜ぶワケでもないのに……。

なんて準備していると、今年は珍しくウチの子が参加。
任せてたら、なんだかモールのミイラみたいになっちゃったけど。
ま、こんなもんでしょ。

……あれは小学5年生の今頃。
私は両親に連れられて駅前の商店街を歩いていた。

早い夕暮れにあたりはすっかり暗くなって、お店の明かりが暖かそうに灯っていた。
そんな一画にある花屋の前に差しかかった時。
突然、父は店頭にあったモミの木を買ってくれると言った。

それは高さが1m以上もありそうな鉢植えで。
てっぺんに付ける星やモールの他に、ささやかな電飾まで買ってくれると言う。

しかし、当時は皆そうだったけれど。
決して豊かではない暮しに、それはあまりにも不釣り合いに思えた。
だから喜びが大きい分、「最後の楽しい思い出にしようとしているのではないか?」と子供心に余計な心配をしてしまったほどだった。
(「幸せすぎて怖い」という言葉があるのなら、その時の私がまさにそうだった)

今から考えれば、高度経済成長の真っただ中。
その余波が、やっと我が家のような下々の生活にも行き渡った頃だったのだろうか。

ともあれ、私の不安は杞憂に終わり。
最初おずおずと足先を浸していたものに、やっと身を任せることに慣れていったのだった。

さて、それからは毎年その飾り付けをするのが私の楽しいお役目になった。
もしかしたら、それは私が実家を出るまで続いていたかもしれないし。
(あるいは同居していた姪に引き継いだのかも?)
その後も何年かは、玄関脇にその鉢植えが置いてあるのを、帰るたびに目にしていたような気がする。


そして今、家にあるのは合成樹脂製の小さなツリー。

それをハンズで買ってからも、もう四半世紀以上が経っている。
少しずつ増えていたオーナメントも、買わなくなって何年になるだろう。
それでも毎年、クリスマスが近づくとこうしてツリーを出している。

そしてあの時の夕暮れの商店街を思い出している。

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コメント

この前テレビでアメリカのある家族が紹介されてて
モミの木を買いに行くのはお父さん
オーナメントを買いに行くのはお母さん
飾りつけは家族全員でしてました
今じゃ日本でも家の周りに飾るお家も増えて来ましたが
アメリカと比べたら規模が違いますよね

そして日本がまだクリスマスというものに
それほど浮かれてなかった時代に
本物のモミの木を買われたお父様、、素敵です(^_^)

投稿: miki | 2007/12/22 13:21

 
mikiさん、コメントありがとうございます。(^^)

そうそう。アメリカのクリスマス、私も以前テレビで見たことあります。
毎年モミの木を買ってきて、最大の年中行事になってますよね。

子供の頃は薪をくべるお風呂で、家に唯一あったそれの煙突も直径が10センチくらいしかなくて。
それでサンタさんはウチの中に入って来れないんだと思ってました。(^^;)
二代目なので江戸っ子じゃないんですが、ウチの父は隅田の生まれなんですよ。
(「ひ」と「し」の発音を言い分けられなかったくらいで)
だからその場の勢いで買っちゃったんだと思いますけど。
でも、その時は嬉しかったです。(^^)

投稿: nanbu | 2007/12/22 16:20

nanbuさん、こんばんは~。
いや~お父さんやりましたね!
突然のお父さんの行動を、○○年経った今でも覚えているのですかっ。
それだけ当時のnanbuさんには衝撃的で嬉しかったのでしょうね。
まさか○○年後に息子から記事にされるとは思ってもいなかったでしょうね、父親冥利に尽きますよ。

さて自分はどうか…?
子供が5年生の頃、心に残ることをしてやっているのか?
おそらく何もないでしょう…
何か突拍子もない事をやって衝撃を与えなければ覚えてないかも~(;^_^A

投稿: | 2007/12/22 20:03

 
ぽぱいさん、コメントありがとうございます。(^^)

そうなんですよね。○○年が2、30年じゃないのがコワいんですが。(^^;)
よく考えてみると、ウチはこの年に引っ越しをしてるんですよね。
今までそれは中学に入る頃だとばかり思っていたんですが。
ツリーを買ってもらったのが小5だったのだけは覚えてるので、その方が嬉しかったんですね。

なにをおっしゃいますか。
毎年の夏休み旅行はもちろん、バイキングからうどん屋さんまで、いろいろな所に行かれているではありませんか。(あ、芝桜も!)
連れて行ってもらったお子さんの胸には、その時々の思い出がしっかり刻まれてますよ。(^^)

投稿: nanbu | 2007/12/22 22:05

あれ?
すいません、ぽぱいが大嫌いな「名無し」になっていました…(;^_^A
↑のコメントは「ぽぱい」です。

(゜O゜;)えッ、知ってました?

投稿: ぽぱい | 2007/12/22 22:07

ヤバイ!
nanbuさんのコメント返しとダブってしまいました。
ぽぱいのコメントだと分かっていらっしゃいましたね、ありがとうございます(;^_^A

投稿: ぽぱい | 2007/12/22 22:09

>(゜O゜;)えッ、知ってました?

ああっ!ほんとだ〜!!(・o・)
本文にぽぱいさんの名前ありませんでしたね。
いつもの「nanbuさん、こんばんは〜。」でごく自然にそう思ってました。(^^;)>
でも、コメントには人柄が偲ばれますもん。
そうじゃなくてもきっと分ったと思います。(^o^)

投稿: nanbu | 2007/12/22 22:20

心に深く残る素適な思い出ですね。
家族で何かする家庭の行事って、大人になって後に
よりいっそうきらめきを増してくるものが多いような気がします。
お父様のクリスマスツリーがあったから、
nanbuさんのクリスマスツリーも四半世紀を越えて輝き続け、
そして今年は息子さんの参加もあったのかなーと
そんな風に繫がりを感じました。

メリー・クリスマス♪

投稿: ポージィ | 2007/12/24 09:41

 
ポージィさん、コメントありがとうございます。(^^)
そしてメリー・クリスマス♪

>家族で何かする家庭の行事って…
そうですね。
構えてしまって、父にはあまり甘えない可愛気のない子だったんですが。
私が家を出る前のほんの1、2年間、一緒にお正月のお飾りを買いに行ったりした頃が、一番身近に感じられました。
子供の頃は、暮になると神棚のしめ縄や裏白の輪飾りを買いに行っていたのを、漠然と見てただけだったんですけど。門に松を立てたり、水道の蛇口とか水周りに輪飾りをしたり。今、自分がその真似をしているのも、そんな姿を見てたからなんだと思います。(^^)

投稿: nanbu | 2007/12/24 18:19

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