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2008/02/20

秘すれば花

Sazanka先日の「中表(なかおもて)」では、お布団にも正式なたたみ方があることに驚いたけれど。

その折いただいたコメントの、プリント類のたたみ方に目を開かれた思いがした私。


考えてみれば、ハンカチ等外表にたたむ物は多い。
取り込んだ洗濯物をたたむ時もそうだし、お店のディスプレイでもそれは同じ。
やはり縫い目のある裏側を中にして、模様のある表側を外に向けた方が美しい。

でも、そんな私もプリント類は中表にたたんでいるのはナゼだろう?
つまり、肝心の内容が記されている「表」を内側にして、「裏」を外側にたたんでいる手紙のように。

ここで注意が必要なのは、どちら側を「表」と解釈するかだけれど。

肝心の内容が記されている面が「表」で、紙の裏側は文字通り「裏」と捉えるのが自然であろう。
つまり、綴られた文面が「中」で、裏側が「外」。

そこまで考えた時、子供の頃感じていた小さな疑問を思い出した。

文房具屋さんで売っていた白い封筒。
それは、ごく普通のありふれた物だったけれど。
判で押したように、どれも内側に紺色の紙で内張りがしてあるのが不思議だった。
(あれは中に入れた私信を、透かして読まれないための工夫だったんですね)


さて、そこで話をお布団に戻すと。

寒い冬の朝、繭のように優しい暖かさで包んでくれていた布団から起き出すのは辛い。
その抜け殻には、まだ温もりが残っているというのに。

ただ、言い換えればその裏側は、寝ているあいだ体に接していた側ということ。
となると、それをむき出しにせず内側にするという発想も分かるような気がする。
(湿気がこもっちゃいそうな気もいたしますが)

そもそも「折りたたむ」というのは文化的な行為だし。
(早い話、丸めて押し込んだっていいんだし)
少なくとも「折り目正しい」姿勢とは言えそうである。

一方、したためた手紙を内側にたたむのもまた、慎みの表れであろうか。


外表であれ、中表であれ。
とどのつまり、キーワードは「秘すれば花」なんでしょうか。

●関連記事:
'08年2月11日「中表(なかおもて)
'08年2月27日「晴れと褻(け)

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コメント

 フトンはどうでしょうねぇ。お行儀とかいった文化的に受け継がれたものとかあるのかもしれないですね。まさに「秘すれば花」の想いでしょう。

 プリントの中表は、どうだろう?
 お行儀よりも実用のほうが強いんじゃないですかね。
 今でこそ印刷技術は向上しましたけれど、一昔前の感熱紙なんてちょっとでも傷がつくと読めないですから。もっと昔なんか墨で書いてたわけで水でもかかったら THE END ですもんね。

 あ、
 ここまで書いて思い至ったのですが、
 よく時代劇とかで直訴する農民(「殿様〜。おねげえだぁ〜」「さがれ無礼者!!」「左門、よいよい。聞いてつかわそう」ってあれね)も、直訴状をきれいにくるんでますよね。「上」とか書いて。
 実用を考えたらすぐ読んでもらった方がいいんだから外表にすべきのはず。でもそうしていない。

 おお、こう考えたらまさに「秘すれば花」の精神があるのかもしれませんね。

投稿: ろぷ | 2008/02/20 16:11

 
ろぷさん、コメントありがとうございます。(^^)

あ、FAXの感熱紙ですね。
うんうん。あれは年月が経つとそれだけで茶色く変色しちゃいますもんね。インクジェットの印刷物も水でにじんじゃうし。「印刷面の保護」という観点では、中表の方が実用的ですよね。
一方、「プリントを中表にたたむと何の紙だか分からなくなる」という意見の人がいる。とコメントいただいたのが、この記事を書くきっかけだったんですよ。
一目で識別出来るという「認知のしやすさ」の観点で考えると、外表の方が合理的なのに。それに抵抗を感じるのはナゼだろうと。それは「印刷面の保護」とともに、何か精神的なものかなと考えました。(^^)

>直訴状をきれいにくるんでますよね。「上」とか書いて。

思わずその情景が頭に浮かびました。まさにそうですね! (・o・)
(くるむといえば、お年玉やお祝儀も「秘すれば花」ですね)

投稿: nanbu | 2008/02/20 17:53

最近、大学などで使われるコピー用紙の「裏」に、企業の広告を載せて、それでコピー料金をタダにするサービスがあるのだそうです。大学生にとってはコピー料金もばかにならないし、なるほどいいアイディアだと思いましたが、そうなってくると、広告部分は「裏」なのか「表」なのか、判断に苦しむところであります。
「裏話」とか「裏原宿」とか「裏メニュー」とか、とかく人々は「裏」を好む傾向があるようですが、表がしっかりあってこそ「裏」があるんですね。オレなんか裏も表もない、ぺらぺらな人間ですが、まあその方が他人から警戒されない分、いいのではないかと思っています。

投稿: yochy | 2008/02/21 03:11

 
yochyさん、コメントありがとうございます。(^^)

この記事はyochyさんからいただいたコメントに触発されて書いたものですけど、お知らせした方がいいのかどうか逡巡した末に「秘すれば花」にさせていただきました。
それだけに目を留めてもらえて嬉しいです。

コピー用紙の裏の広告は、ニュースで見て私もグッドアイディアだと思いました。
結局、「裏」か「表」かを判断するのは、自分にとってどちらが重要かで決るんでしょうか。(「お行儀」を取るか「合理性」を取るかみたいな)
「裏表がある」というのは悪いイメージで語られがちですけど、光が当たれば影ができるのは避けられないのと似ているような気がします。問題は、合わせ鏡を使ってその後ろ姿をチェックしようとしているかどうかで。(同時にレフ板効果も期待できるかも)
yochyさんが自分の厚みに気がついていないとしたら、自然にそれができているからじゃないのかな? なんて思いました。(^^)

投稿: nanbu | 2008/02/21 08:01

秘すれば花 とは何と奥ゆかしい。
私の場合はどういう基準で畳み方を変えているんだろうと、
改めて考えてみました。普段意識したこともなく変えていましたが。
布団を中表に畳むのは、これはもう敷くときの合理性・実用性の問題。
包装紙や、ハンカチ・着る物などは、柄や装飾など見て楽しむためにも、
すぐ着られるためにも外表。
手紙などは大抵が私信なので、宛先の人だけがまず見られるように、
紙面が傷まないように、裏を表に出して畳みます。
ふむ、こうして考えると、私の場合は実用的な理由からそうしている
場合が多いみたいです。

ろぷさんのコメントに登場した巻紙の手紙、親書として秘するが花の
面もあれば、墨で書いた文字が手の汗や雨などで濡れて汚れるのを
防ぐ意味も、また、後で巻きなおすときの手の動きなんかも
関係して、自然と文字が内側になったんじゃないかなーと思いました。
ハガキは宛名を書くほうが表ということになってますね。
手紙文を書くのは通常裏で、裏側で書ききれなかったら表の
宛名の下につなげると聞いたことがあるような…
それからそれから、海苔!お寿司などに巻くとき外側に出すのは
ツヤツヤと光沢のあるほうですよね。けれど、表か裏かで言うと、
その艶のある側が裏なんだそうですよ。それを知ったときはびっくりでした。
面白いもので、服地のプリントはわざと裏を表して仕立て、
ぼかした感じのプリント柄を楽しむなんてこともありますね。
(そういう仕立てのアロハシャツを持ってるんです ^^)

長くなってしまってごめんなさい。
 

投稿: ポージィ | 2008/02/21 10:10

ポージィさん、コメントありがとうございます。(^^)

そうそう。普段はたたみ方なんか意識しませんよね。せいぜいよそ行きの洋服をお店だたみにしようかなぁとか考える程度で。(普通に四つ折りしちゃうと、折りジワがバッチリ体の正面に来ちゃいますもんね)それはきっと、精神性と合理性が一致してるからなんだと思うんです。
ところがこの前のお布団のたたみ方で、それが合理性と一致しないパターンに遭遇して、あれこれと思いを巡らせてしまいました。巻紙の手紙のたたみ方も、その両方が一致してるから疑問に思わなかったんでしょうね。
でも……。ハガキは思いつきませんでした! (・o・)
これもやっぱり、文面を「中」と捉える感覚のような気がするんですが。「中」と「外」、「表」と「裏」の二重基準の難しさが表れた好例かもしれませんね。
そして海苔の裏表にもビックリです。(広げて天日に干す時、簾に押し当てられてた面がツルツルになって、外気に当ってた面は自然のままだから?)それでいくら艶があっても裏になるんでしょうか。
ぼかした感じに仕立てたアロハシャツも洒落てるし、裏表を考えるのも面白いですね。(^^)

投稿: nanbu | 2008/02/21 11:57

nanbuさん、こんばんは~。

>綴られた文面が「中」で、裏側が「外」…

やばい「ナカ」とか「ソト」と聞くと別のものを想像してしまいますよ~。
“にこけんWEEK”だからかな?それとも職業病?(笑)

表と裏といえば、その昔10円玉をポーンと上に投げてパシッと手の平の中に隠し「表か裏か?」と賭けをしていました(nanbuさんもやった事あるでしょ?)
その時、仲間の間では「10」と書いてある方が表だったのですが…
実際は、平等院鳳凰堂が描かれている面が表なんですって?
知らなかった~(カルチャーショックです)!

投稿: ぽぱい | 2008/02/21 20:53

 
ぽぱいさん、コメントありがとうございます。(^^)

あぁ〜っ! ホッピーがありましたね!!
初めてホッピーを教えてもらった時、ナゼ「ナカ」とか「ソト」と言うんだろうと思ったんですが。(「ナカ」の焼酎を「ソト」のホッピーで美味しく味わうんですね)
この場合、「表」舞台の看板役者と、それを陰でささえる「裏」方さんはどちらになるんでしょう?
お会いした時にぽぱいさんの考えを教えてくださいね。(^o^)

>仲間の間では「10」と書いてある方が表だったのですが…

えっ?! 私も「10」と書いてある方が表だと思ってました。(・o・)
自分としては平等院鳳凰堂の面の方が(綺麗だから)好きで不満だったんですが。
チョット嬉しい驚きです♪

投稿: nanbu | 2008/02/22 07:31

 ホッピーつながりで。
 先々週のこと。
 秋葉原に出来ていた立ち飲み屋さんで。
 ホッピーを飲んで、外がもう一杯分あったので、アルバイトの女の子に、『中ね』とメニューを指しながら注文。すると、女の子曰く『ホッピーのちゅうですね』
 ・
 ・・
 ・・・ってサイズのことかと思いました┐(´~`;)┌ホッピーのサイズは普通は一緒ですがね~(ノДT) 

投稿: coldgin | 2008/02/22 20:09

 
coldginさん、コメントありがとうございます。(^^)

秋葉原で思い出したんですけど。
「ワニ口クリップ」がビニールのカバー(簑)を被ってるから「ミノムシクリップ」なんですね! 簡潔に特徴を表現してて、なおかつ面白い。絶妙のネーミングに感激してしまいました。(^o^)

>女の子曰く『ホッピーのちゅうですね』

あは♪ 『中』をビールみたいに中瓶と勘違いしちゃったんですね。
でも、私もホッピーを知ったのは一昨年のことなので。その女の子のことは笑えないかもです。(^^;)

投稿: nanbu | 2008/02/22 20:53

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