ウチのウチワ
●リターン雑記その21
この時期、私が家の中で持ち歩いてるのは、タオルとウチワ。
パソコンを使ってる時には仕事部屋のエアコンをつけるけれど。
室温が下がるまでの間扇いだり、タオルで汗を拭いたり。
昼寝の時も、寝入りばなや寝起きの時には汗が出る。
扇風機を回しても、首を振るから。
(風に当りっぱなしは良くないでしょ?)
「あぁ、涼しい」と思っても、スグに通り過ぎちゃって。
また戻って来るまでがじれったい。
その点、ウチワなら微調整も自由自在。
パタパタ扇ぐのにも疲れた頃、ウトウトしてくる。
そのウチワ。
旅行中、街中を歩いている時にもらったもの。
美容院の宣伝用に配られていたもので、「カット 1,800円」とか書いてある。
どうやらそれを持参すれば、サービス料金になるらしい。
宣伝用とはいえ、赤地に白抜きの文字がなかなかにオシャレ。
で、私は何となく気に入って使っている。
つい先日、テーブルの上に置いてあったそれを見て、ウチの子がこう言った。
「これを持って行けば安くしてもらえるんだって」
「ははは、それは去年の旅行でもらったヤツでしょ? もう期限切れだよ」
私がそう答え、まだまだ子供だなぁ……と、余裕の笑みを浮かべていたら。
「は? 4年前でショ。平成14年9月末までって書いてある」
(げ! もしかして、その前の旅行の時の?)
人の(いえ、私の)記憶というのはあてにならないものだ。
もう4年も使っていたのか。
その後、さらに息子の一言で形勢は逆転した。
「あは♪ セロテープまで貼ってある」
「……ウソ!?」
だが、奪い取ったそのウチワは、たしかに破れ目が丁寧にテープで繕われていた。
よく見れば、それ以外もアチコチ印刷が擦れているではないか。
なんという事だろう。これではオシャレもクソもない。
私は、その満身創痍のウチワより、それに気づかなかった自分に打ちのめされた。
花を愛で、美しいものをこよなく愛する人間だとばかり思っていたのに。
ボロウチワに気づきもせず、いや、そのライフスタイル自体になんの疑問も感じなかったとは。
美に耽溺する自分と、タオルとウチワを持ち歩く自分。
その両者が、なんの違和感もなく仲良く同居している。
……おそろしい。
いっとき、そんな物思いに沈んではみたものの。
しかし明日になればまた、私は躊躇なくそれを手に取るのだろう。
'06年8月21日
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まるで黒いレースを被せたようなその小道。
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春の七草にも入っているけれど。

しながらホラー映画を観る。
そろそろ桜の花芽も膨らんで、先端が明るい色になってきました。
今日は大寒。




ある日家内がこう言った。


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